出版社内容情報
温泉地には豊かな自然が広がっています。その自然環境を利用して病気の予防や治療を行う「自然療法」が注目されています。温泉の効果は泉質によってどう違うのでしょうか。医学的根拠はあるのでしょうか。飲泉や吸入など、珍しいヨーロッパの温泉地保養療法を紹介しながら、日本の温泉の新しい可能性を探ります。
内容説明
温泉地には豊かな自然が広がっています。その自然環境を利用して病気の予防や治療を行う「自然療法」が注目されています。温泉の効果は泉質によってどう違うのでしょうか。医学的根拠はあるのでしょうか。飲泉や吸入など、珍しいヨーロッパの温泉地保養療法を紹介しながら、日本の温泉の新しい可能性を探ります。
目次
第1章 温泉を見直す
第2章 入浴の効き目
第3章 温泉療法入門
第4章 泉質の話
第5章 生体リズムと温泉療法
第6章 自然の中で心身を癒す
終章 これからの温泉療法
著者等紹介
阿岸祐幸[アギシユウコウ]
1931年札幌市生まれ。1961年北海道大学大学院医学研究科修了、1978年北海道大学医学部教授、医学部付属温泉治療研究施設長、付属病院登別分院長。1995年同大学名誉教授。専門分野は、温泉気候医学、健康保養地医学、環境生理学、内科学。現在、NPO「健康保養ネットワーク」理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田氏
19
温泉と健康。一般にこのふたつが組み合わさると、とかく闇が生まれるものである。やれ波動が水素が、マイナスイオンがどうのとか。マトモそうな本を見つけて開いてみれば、文化学の教授がその肩書を掲げて根拠不明な断定を列挙しているだけだったり。それらに押しのけられてしまうのか、本書のような、「どのように考えられているか」「何がひとまずの共通認識とされているか」を淡々と列挙するかたちで「温泉と健康」について論じる本は、あまり書店に並んでいない。そして本書は絶版、古本屋に並んでも底値。でも、自分には合っている本でしたよ。2023/05/04
壱萬弐仟縁
15
僕は痛風患者だから、別府温泉の泥湯がいいと思う。遠いので、行けるチャンスがなかなかないけど。ドイツ人と日本人の温泉を巡る習慣と温度について(34頁)。ドイツ人とは違い、日本人の方が熱い湯に浸かるケースが多いのかな。メタボ予防として)(189頁~)。もうなってしもうたが(苦笑)。高脂血症はヤバいな。食生活と運動。この二つを見直せ、見直せ、とは言われているが、なかなか。プールで歩くか。いや、折り畳み自転車で自転車をいじめるか。いや、自分の脂肪をいじめるか。いじめはよくないが、自分のためなら。2013/08/02
たびねこ
7
温泉は浸かるだけではない(霧状にして)浴びる、飲む、その中を歩く…。泉質、温度もさまざま、好みも、国によって違う。人間だけではない、熊も鹿も鶴も生物はみな温泉好き。それもこれも健康(体)へ及ぼす温泉の力ゆえだと、温泉療法を主体に、医師の目で書いた。2016/10/02
乱読家 護る会支持!
4
日本は世界一の温泉数3157箇所(2位のイタリアは300箇所)。泉質シェアは、単純温泉32%、塩化物泉27%、硫化塩泉11%、炭酸水素塩泉10%、硫黄泉8%、その他12%。単純泉はミネラル量が基準以下のものをいい、成分は単純ではない。美人、美肌の湯が多く、身体への刺激が少ないので湯あたり頻度が少ない。塩化物泉は、保温効果が高く、免疫力が上がる。。。温泉気候物理医学会という学会があるようだが、温泉の健康に対するエビデンスは充分に検証されていないようです。2017/05/03
Humbaba
3
温泉をどのように楽しむかというのは、一種の文化であるとも言える。日本には日本なりの楽しみ方があるし、ヨーロッパにはヨーロッパなりの楽しみ方がある。その違いはどちらか一方のみが正しいものというわけではなく、それぞれに違った良さが有る。だからこそ両方楽しめるようになれば喜びはもっと広がる。2017/01/31