岩波新書
中国名文選

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  • サイズ 新書判/ページ数 224,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004311133
  • NDC分類 920.2
  • Cコード C0298

出版社内容情報

中国古典の集積から選び抜いた名文は、孟子・荘子・司馬遷から宋代の蘇軾・李清照まで十二人の文章家による、内容・形式もさまざまな代表作。読みどころを押さえながら訓読し、達意の解説がその味わいを伝える。

内容説明

中国の古典は、漢文訓読というユニークな読解法を通じて、長きに亙って日本人の教養を形づくり、日本語の文章に影響を与えてきた。ここに数多の作品から選び抜いた名文は、孟子・荘子から宋代の蘇軾・李清照まで、十二人の文章家の代表作。内容・形式もさまざまな文章を、読みどころを押さえながら訓読し、達意の解説がその味わいを伝える。

目次

中国の文章を読む
「五十歩を以て百歩を笑わば、則ち何如」―為政者の使命
「北冥に魚有り、其の名を鯤と為す」―飛翔する想像力
「夜 漢軍の四面皆楚歌するを聞く」―英雄凄絶の死
「濁酒一杯、弾琴一曲、志願畢われり」―本音のままに生きる
「芳華鮮美にして、落英繽紛たり」―別天地の物語
「物色の動けば、心も亦た揺らぐ」―文学にとって自然とは
「天地は万物の逆旅にして、光陰は百代の過客なり」―春の夜のうたげ
「千里の馬は常に有れども、伯楽は常には有らず」―人材の発見・「人の世に于いて何如ぞや」―人の世に生きるとは
「見る所無きに至りて、而も猶お帰るを欲せず」―忘れられた自然との出会い
「酔翁の意は酒に在らず」―醒めた観察のまなざし
「逝く者は斯くの如くして、而も未だ嘗て往かざるなり」―造物者の無尽蔵
「中れば即ち杯を挙げて大笑し、茶傾きて懐中に覆るに至る」―細やかな夫婦愛

著者等紹介

興膳宏[コウゼンヒロシ]
1936年福岡県に生まれる。京都大学大学院博士課程修了。京都大学教授、京都国立博物館長を歴任。現在、京都大学名誉教授。専攻は中国文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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KAZOO

73
12人の著名な文章家の名文を選んで、訓読分、原文、口語訳、解説が書かれていて非常にわかりやすく参考になります。教科書などに出てくる文などではなく様々な状況を示してくれています。その文章が書かれた背景なども説明してくれています。孟子、荘子、司馬遷などは知っていますが数名初めての人物がいました。2015/09/10

あきあかね

18
 「流罪という不幸も、人生の流れの中では絶対的な意味を持つものではない。幸福といい不幸といっても、所詮は相対的な価値観に過ぎず、角度を変えて眺めれば、おのずと違った意味がそこから見えてくるものだ。「赤壁の賦」から読みとれるこうした楽観精神は、黄州時代に培われ、さらにはその後の人生経験を通じて深められて、蘇軾の文学を通底する基調となった。」 党派争いに巻き込まれ中央の官界を追われた蘇軾をはじめ、左遷や不遇などを経験した官僚の文章が多く取りあげられている印象を受けた。 新たな自然の美しさを見つけ、天地と⇒2019/04/03

Mana

6
ドラマ明蘭の原題に使われている詩(知否知否)を書いた李清照をお目当てで読んだ。彼女の回顧録「金石録後序」に沿って彼女の人生を説明してるので、奇人と異才の中国史より情報量が多くて満足。衣食住を犠牲にするくらいお金をかけて古書や古物をコレクションして喜んでる様子から、人柄が感じられる。2020/12/16

ikedama99

6
職場の図書館から借りた本。漢文のリズムや中国史に触れたくなって。山水画の世界だけではなく、人の思いや行動などを綴った文章も多く、楽しめた。陶淵明、李白や柳宗元などの文章にもっと触れたくなった。2020/09/06

M

5
中国の代表的な詩をピックアップした本であり、この本の中には現代語訳だけなく、訓読文と原文の両方が記載され、実際の詩のリズムや雰囲気をそのまま味わうことが出来る。私達日本人はこうした漢詩とは無縁の存在であるかのように思われるけれども、明治以前までは中国語やその文化の影響を受けており、その都度日本人はそれらを吸収し、巧く別の形に昇化させてきた。今の漢字もそうした背景があるというのだが、世代を経ればそうした事実は薄れていき、実際知らなくても良いのかも知れないが、この弊害は色々な部分に出てくるのではないだろうか2018/09/09

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