内容説明
医師の連続30時間を超える労働や、夜間診療が恒常化している医療現場。医師の過重労働は、わたしたちに何をもたらすのだろうか。万人に共通する睡眠不足による悪影響をふまえたうえで、科学的に論じる。
目次
第1章 日本の医療は安全か―日本の医師労働の実態と医療事故の危険性
第2章 睡眠のメカニズムと過重労働の危険性
第3章 医師の過労死はなぜ起きる―過重労働と歪んだ医療政策
第4章 豊かな社会を目指して
著者等紹介
植山直人[ウエヤマナオト]
1958年福岡県生まれ。鹿児島大学医学部卒業。東北大学大学院経済学研究科修士(福祉経済学専攻)。現在、全国医師ユニオン代表、医療生協さいたま行田協立診療所勤務、行田市医師会理事、ドクターズデモンストレーション代表世話人。内科医として在宅医療、産業医として労働安全衛生に力を注ぐ
佐々木司[ササキツカサ]
1965年秋田県生まれ。千葉大学大学院自然科学研究科修了。博士(理学)。労働生理学者。現在、(公財)大原記念労働科学研究所上席主任研究員。主な研究課題は過労死・過労自死の理論労働科学研究、労働者の慢性疲労と睡眠に関する研究、労働者の健康を念頭においた睡眠評価法の開発(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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huyukawa
1
よく対人の仕事の向き、不向きが語られるけれども、働くひとをひととして扱っていないことの方が多いことが気になっていた。現場の疲弊感はひどいものがある。本書は、現状はもはや個人の頑張りではカバーができないものであり、すでに危険な状況にあることを示している。もともと病院にはあまり行かない方であるが、さらに足が遠のきそうである。2019/04/24
まつ×まつ
0
全ての勤務医が読むべき本である!!! 医師不足は確かに絶対的な医師不足と医師の偏在化である 連続勤務はパフォーマンスを下げ、医療事故につながり、ひいては患者への不利益となる。 「当直」は、「宿直」とされていて、労働基準法ては労働時間にカウントされない…マジかいな 知らんかった オンコールも自己研鑽も労働であると僕は思う 一昔前とは医療の質が違う 医師は聖職である前に労働者であり人間である 働いて当たり前っという時代ではない 2021/03/14