内容説明
そもそも記憶は脳のどこにどのように蓄えられるのか。また短期記憶と長期記憶の違いは脳のどのようなメカニズムに由来するのか。素朴な疑問に丁寧に答える一冊。
目次
プロローグ 来たれ!脳科学のガリレオ
1 記憶はどこに蓄えられるのか
2 記憶はどのように蓄えられるのか
3 遠隔記憶のナゾ
4 記憶と遺伝子の関係
5 記憶はどのようにして正確に保持されるのか
6 思い出した記憶は不安定になる
エピローグ 記憶から探る精神の営み
著者等紹介
井ノ口馨[イノクチカオル]
1955年生まれ。1979年名古屋大学農学部卒。1984年同大学大学院農学研究科博士課程修了。農学博士。コロンビア大学医学部研究員、ハワード・ヒューズ医学研究所リサーチアソシエート、ニューヨーク州立精神医学研究所研究員、三菱化学生命科学研究所研究主幹・グループディレクターを経て、2009年より富山大学大学院医学薬学研究部(医学)教授。専門は分子神経生物学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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calaf
12
記憶の研究って、相当進んできているようです。特に今世紀に入ってからの進歩は凄まじそう。学生時代に習った事は、既に遠い過去の情報という感じ。将来の見通しも多く語られていますが、それに近い状況になれば素晴らしいのですが...2013/06/27
阿呆った(旧・ことうら)
10
記憶と脳の構造について&PTSDなどを改善するために行なっている挑戦・課題について。2016/10/20
てつこ
7
完全に文系の私にも分かるくらいに、噛み砕いて説明してあって、読みやすかったです。大きな出来事があった日の、小さな出来事についてなぜか良く覚えている、ということって、科学的に説明できる事実なんだというのが面白かったです。2013/08/31
ぼのまり
7
分子脳科学、特にヒトの記憶を司る「セルアセンブリ仮説」について解説した本ですが、高校生や一般向けに行なった講演をまとめなおしているので、総じて表現が易しくわかりやすい。脳科学や心理学、生態学などは複雑に絡み合っていますが、これから大きな発展が望める研究分野だと思います。私の脳はトロけてしまう前にその謎が解明され、人類の歴史の1頁が刻まれるところを見てみたいですね。2013/06/22
えぬ
6
非常にわかりやすい記憶についての分子生物学的なアプローチによる研究の紹介。 最新の研究内容がよくわかる2017/10/20