都市の創造力

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  • サイズ B6判/ページ数 266,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000263245
  • NDC分類 230.4
  • Cコード C0322

内容説明

都市の歴史は人間の活動の歴史にほかならない。古代地中海世界が崩壊したのち、西欧中世はローマの遺産を受け継ぎながら、キリスト教を軸に新たな都市空間をつくりだした。市壁の建設に始まる都市の歴史の中で、中世人は都市をどのようなまなざしで見つめ、共同体としていかなる人的・社会的つながりを形成していったのか。地域的に多様な姿を見せるヨーロッパ都市の特性を、近年の新たな都市史研究の展開をふまえて描く。

目次

序章 都市のヨーロッパへ
第1章 中世都市の誕生
第2章 空間システム
第3章 組織と経済
第4章 統合とアイデンティティ
第5章 秩序と無秩序
第6章 「聖なる都市」から「理想の都市」へ
終章 中世ヨーロッパ文明の中の都市

著者等紹介

河原温[カワハラアツシ]
1957年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科西洋史専攻博士課程中退。現在、首都大学東京都市教養学部教授。博士(文学)。研究テーマは、中世ネーデルラントを中心とする都市史、社会史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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人生ゴルディアス

4
この先生の本はすごく読みやすい。都市について、成り立ちから統治機構、住民の数や推移、ギルドや兄弟会などの社会的紐帯、慈善組織、暴力、等等が概説的に書かれているが、情報量は結構多いので著者の力量を感じる。ここで興味持った分野を個別に調べていく感じ。2009年の本なので、参考書籍は新刊で手に入れるの難しそうかな、というのだけが残念。2023/06/19

MUNEKAZ

4
主に北イタリアやフランドル地方を例にした中世ヨーロッパの都市についての概説。当然ながら都市においてもキリスト教の影響は濃く、都市での生活が修道院と同一視されたり、貧民層への慈善事業が施し側の来世での救済を目的としている部分は興味深かった。また英仏の都市のように、都市の独立が国民国家に徐々に絡めとられていく様子も紹介されているのも比較となってよかった。2017/02/21

壱萬弐仟縁

2
現代は佐々木雅幸教授の創造都市論が評者にとっては馴染み深い。ドイツの19世紀法諺「都市の空気は自由にする」(100ページ)という荘園制とか修道院の暮らしを思い出すとき、自由というものの価値に焦点があてられても不思議ではないだろう。評者にとっての都市のイメージは、文物の交差点とか、集積地とか、交流の拠点というものがある。空間的把握なら理解可能である。欧州の都市人口は約5人に1人だったようだ(58ページ)。マヨレスという富裕層とミノレスという貧困層は中世後期(104ページ)。施療院の専門化(216ページ)も。2012/10/20

mob

1
・中世ヨーロッパの都市に関する諸々。都市貴族の起源、職業ごとの比率、建物の変化、ギルドや兄弟団、環境悪化、学生=ならず者、などなど、視点も情報もやたら多彩で、西欧中世このシリーズだけで行けるんじゃ…的な位置づけは二巻になっても問題なし。このシリーズはたぶん全巻読む。 ・三割、五割と増え行く貧民。都市の歴史を見れば楽観的な進歩史観など悪い冗談にしか思えないが、その進歩史観が流行るのがさらに都市の状況が悪化する啓蒙時代だから啓蒙系知識人というのは面の皮が厚すぎる。2021/06/17

陽香

1
200901272017/11/10

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