中国朝鮮族を生きる―旧満洲の記憶

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  • サイズ B6判/ページ数 296p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000238700
  • NDC分類 316.822
  • Cコード C0020

出版社内容情報

人口200万人弱,中国に少数民族として存在する朝鮮族.旧満洲の地に根をおろした歴史には,日本の植民地支配が深く関わっている.「祖国」とは異なる自らの居場所を生きる人生.そこに自らの生き方も重ねる著者が,出会い,時を共有してきた魅力的な人々の目を通して,忘れられゆく過去を掘り起こし,変わりゆく現在の様相を紹介する.

内容説明

「祖国」から離れた自らの居場所。国と国の狭間を生きる人生…。近代以降に朝鮮半島から移住した中国朝鮮族の人々が多く暮らすのは、かつて「満洲国」と呼ばれた地域だ。この土地に著者もまた吸い寄せられ、歴史のうねりの中で埋もれそうな人々の声や、そこに確かに人々の営みが存在したことを示す写真を大切に集めてきた。聞き書きを中心に、記憶に刻まれた日本の罪過から朝鮮族の子供たちの未来まで描く、心に響くエッセイ集。

目次

第1章 運命という濁流(満洲の学生さん;永遠なる革命同志、李敏 ほか)
第2章 間島の記憶(高知から間島を詠った詩人;心の星、尹東柱 ほか)
第3章 わが敵は「大日本帝国」なり(荒野を駆ける独立軍;安重根、百年の時を超えて ほか)
第4章 コリアン・ディアスポラの行方(鴨緑江から揚子江へ;玉子さんの磁力 ほか)
第5章 刻印する者たち(歴史の痕跡を記す人;「祖国」を超えて「故郷」を創る ほか)

著者等紹介

戸田郁子[トダイクコ]
1959年生まれ。会社勤めを経て、1983年より韓国の延世大学韓国語学堂に留学。1985年より高麗大学史学科にて韓国近代史を学ぶ。その後、中国黒龍江省ハルビンに語学留学し、延辺朝鮮族自治州を中心に、中国東北地方の朝鮮族の移住と定着の歴史を取材している。韓国で「図書出版土香(トヒャン)」を立ち上げ、日韓中をつなぐ文化を中心とした本作りに携わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

光緑

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隣国の事をもっと知るべき。だから、こういう本に巡り会えると嬉しくなる。中国朝鮮族のことを書いているけど、実は、中国のこと、日本のこと、韓国のことが書かれていて、底辺は、つまり、国とは民族とは何か、を追考えさせる本。良い本です。2014/02/17

うみ

0
韓国人写真家と結婚した戸田さんが、ハルビン留学をきっかけに、中国朝鮮族に関心を持って彼等の居住地区に住み、彼らの歴史・記憶をたどる。日本の植民地であった半島を逃れ、あるいは追われて住み着いた地でアイデンティティを守ってきた歴史、そしてまた、「現代化」の波によってそれが希薄化しつつある現在の悩みに、誠実に向き合って伝えてくれる。 ただ、多くの問題を詰め込んだために、整理が足りなくて読みづらい点がある。2011/11/30

Sachiko

0
とても興味深いのだが、読み終わるのに何年もかかってしまった。ここに出てくる話や写真の一部は韓国の仁川で実際に見た。日本人として、旧満州の朝鮮族の人々のことを書き残していただけてありがたいと思う。2022/12/29

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