砂糖のイスラーム生活史

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  • サイズ B6判/ページ数 241,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000230230
  • NDC分類 588.1
  • Cコード C0022

内容説明

現代人の食生活に欠かすことのできない、砂糖。砂糖きびを原料とするその製法は、後一世紀に北インドで始まり、その後、東西世界へと広まった。中東イスラーム世界からヨーロッパへと伝えられた砂糖が、のちに世界史を動かす一大商品になることは、あまりにもよく知られている。では、砂糖はイスラーム世界でいかに普及し、またいかなる役割を果たしたのだろうか。本書は、この重要な問いに答えるため、膨大なアラビア語史料を駆使して、砂糖きび栽培、砂糖生産と交易、政治権力の関与、医学・食との関わり、などを解明する。ひとつの“もの”を通してえがくイスラーム社会史であり、従来の「砂糖の世界史」に新局面をひらく貴重な実証研究である。

目次

第1章 砂糖生産のはじまりと拡大
第2章 赤砂糖から白砂糖へ―製糖の技術
第3章 ラクダと船に乗って―商品としての砂糖
第4章 砂糖商人の盛衰
第5章 薬としての砂糖
第6章 砂糖と権力―賜り品と祭の品
第7章 食生活の変容

著者等紹介

佐藤次高[サトウツギタカ]
1942年、神奈川県生まれ。1968年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。東京大学文学部教授をへて、現在、早稲田大学文学学術院教授、イスラーム地域研究機構長、財団法人東洋文庫研究部長。アラブ・イスラーム史専攻。2006年から「NIHU(人間文化研究機構)プログラム イスラーム地域研究」を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

22
先行研究(6頁~)。E・フォン・リップマン『砂糖の歴史』は欧州諸語の資料を収集、砂糖きびを原料とする砂糖生産について、19Cまでの歴史をたどった労作。N・デール『砂糖の歴史』はアジアから新世界へのきび栽培と製糖業の歴史をたどり、甜菜糖にも言及した対策。H・ブルーム『砂糖きびの地理学』は、内容に問題があるという。S・W・ミンツ『甘さと権力』は砂糖の社会性、生産の歴史、消費拡大と富に権力まで論じている。 C・ダニエルス『中国の科学と文明』中国の製糖業史の画期的意義。S・マズムダル『中国の砂糖と社会』は大著。 2014/10/26

Saiid al-Halawi

7
アッバース朝時代の砂糖を使った宮廷料理のレシピとか載ってて楽しい。とりあいずヒヨコ豆の煮汁に砂糖とか果物ジュース入れたもので羊とか鳥とかの肉煮て、最後にバラ水振りかけて完成ってのが鉄板のパターン。医学、薬事学の分野ではイブン・アルバイタールとイブン・アンナフィースなど。2012/09/09

人生ゴルディアス

5
これまで手に取らなかった砂糖の歴史。個別の物品の歴史書って、年代、地理範囲が広すぎたりして読むの億劫なんですよね。その点、本書は中世初期から中期くらいまでのアラブ世界を中心に、砂糖の歴史をつづっています。著者本人も製糖用の壺の様子が現物見るまでよくわかんなかった、とありますが、この本読んでもやっぱりよくわかんないです…。圧搾用のローラーも肝心要の部分が絵になってないし…。やや不満はありつつ、勉強になりました。度量衡の面でもグラム表記併記されたり、親切でした。2017/08/21

メルセ・ひすい

3
サトウキビ原料とする製法は、一世紀に北インドに始まる。世界史を動かすほどの大商品になるには? この重要な問いに答えるため、膨大なアラビア語史料を駆使して、砂糖キビ栽培、砂糖生産と交易、政治権力の関与、医学、食とのかかわり、などを解明する。2009/04/02

kenken

2
楽しい本。新書的な削り方、ふくらませ方も考えて欲しい。2009/09/28

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