出版社内容情報
19世紀における世界史的な歴史変容は、東アジアにおいて一定の共通体験をはらみながらも、多面的な相貌を見せることになった。その後の歴史観にも大きな影響を与える東アジアの多元的な「近代」の始まりを提示する。
内容説明
近世から近代への移行期にあたる東アジアの一九世紀。中国市場を視野に入れ東南アジアでの拠点を築いたイギリスがアヘン戦争で清に勝利するなど、国際秩序は変容を迎えた。また交通、通信、貿易、学問など様々な面で地域社会の再編が進んだ。東南アジアでは西洋諸国が植民地を設定し領域支配をはじめる。そのなかで日本は近代国家建設を開始し、東アジアに近代モデルを提供することとなった。しかし、地域の価値観や、ヒトの移動などによって、共通体験としての近代は、多様で複雑な様相を呈していく。
目次
通史 東アジア世界の近代―一九世紀
通空間論題(儒教的近代としての東アジア「近世」;ロシアの東漸と東アジア―一九世紀後半における露清関係の転換;イギリスの東漸と東アジア―貿易と秩序)
個別史/地域史(朝貢と条約;近代という秩序・規範;地域社会から見る変容過程)
著者等紹介
和田春樹[ワダハルキ]
1938年生。東京大学名誉教授。ロシア史、現代朝鮮研究
後藤乾一[ゴトウケンイチ]
1943年生。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授。東南アジア近現代史、日本‐アジア関係論
木畑洋一[キバタヨウイチ]
1946年生。成城大学法学部教授。イギリス現代史、国際関係史
山室信一[ヤマムロシンイチ]
1951年生。京都大学人文科学研究所教授。近代日本政治史、法政思想連鎖史
趙景達[チョキョンダル]
1954年生。千葉大学文学部教授。朝鮮近現代思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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