岩波科学ライブラリー
アストロバイオロジー―宇宙が語る“生命の起源”

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  • サイズ B6判/ページ数 122p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000074872
  • NDC分類 460
  • Cコード C0344

内容説明

人類に残された最大の謎―“生命”はいつ、どこで、どのように誕生したのか?20世紀末から本格化した宇宙探査は、生命の起源について驚くべき事実を明らかにしつつある。地球生命は「特別な存在」ではない。生命の誕生と進化の鍵は宇宙が知っている。

目次

第1章 地球生命科学からアストロバイオロジーへ
第2章 “生命の起源”への挑戦
第3章 隕石が語ること―宇宙から降り注ぐアミノ酸
第4章 彗星が語ること―暗黒星雲で生まれる有機物
第5章 火星が語ること―地下に生物圏を探せ
第6章 エウロパが語ること―氷の下のハビタブルゾーン
第7章 タイタンが語ること―メタンの湖とエンケラドス
第8章 生命の“起源”と“未来”

著者等紹介

小林憲正[コバヤシケンセイ]
1954年愛知県生まれ。82年、東京大学大学院理学研究科博士課程修了。同年、米国メリーランド州立大学化学進化研究所研究員。87年、横浜国立大学工学部講師。2003年から横浜国立大学大学院工学研究院教授。理学博士。専門は分析化学、アストロバイオロジー。「国際生命の起源学会」評議員、「生命の起原および進化学会」会長、「日本宇宙生物科学会」副会長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

349
「アストロバイオロジー」というのは、あまり聞きなれない言葉だが、その意味するところは文字通り、生命の起源と進化を地球内だけで考えるのではなく、広く宇宙的な規模で(とは言っても、現実に手が届いているのは今のところ木星や土星、あるいはその衛星くらいまでなのだが)捉えようというものである。本書の中の言葉を借りれば、天動説から地動説への転換ということになる。そもそも生命の定義も難しい上に、これまでの常識からは考えられないところー例えば海底噴出孔などーにも生命は存在しうる。木星の衛星エウロパの地中にはどうやら⇒2021/04/01

夜長月🌙

66
アストロバイオロジーとは地球生命科学より発展し、NASAの定義によると「地球および地球外での生命の起源・進化・分布・未来」を研究する学問領域です。物理学が地球に限らず全宇宙で通用するのと同じく宇宙は地球上に存在するのと同じ元素で作られ同じ化学法則で成り立っているのですから生命を考える時にも「地球から宇宙へ」そして「宇宙から地球へ」双方向で考えることが大事です。2021/04/10

calaf

9
最近話題の(?)火星探査が、ここに書いてあるような生命の誕生の謎に迫ろうとしているのは知っていたけど、木星や土星の衛星をターゲットにしているのも、一部にせよ同じ意味があったのですね...ずっと、どうしてこんな小さな衛星なんて観測するのだろうと思っていたのでした (大汗)2012/10/11

柏原 輝彦

1
アストロバイオロジーの成果は従来の常識を打ち壊し続けてきた。宇宙の研究は、過去の地球を知る手がかりと、地球の未来に警告。火星表面は宇宙に普遍的に存在する有機物の存在を許さない環境。タイタンは問いかける水がなければ本当に生命は存在できないのか。炭素数5と6のアミノ酸はタンパク質に使われるのに、4は使われていないという謎。タンパク質のもとになるアミノ酸と核酸のもとになる分子。隕石中に核酸塩基や糖は極めて少量。異なる生命システムの発見は、物理や化学が捨て去った天動説という自己中心主義を生物学が捨て去る契機2015/12/31

ハナちゃんと一緒

1
「生命の起源」追求がここまで来た!興味を持っている人なら、思わず嬉しくなってしまう本.前半は生命科学のおさらい.後半の最新の研究の成果の段から俄然面白くなる.特に星間物質の研究の進歩がすばらしい.そして「がらくたワールド」.生命誕生の追跡はついにここまで来たのか!常々生物学はまだ天動説の時代から脱していないのではないか?と、漠然と感じていたのだが、はっきりとここまで書いている書物は初めてだった.あとがきのマーラーの話もとても良い.この分野に興味を持っている方にはぜひ一読をお勧めしたい本です.2013/07/14

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