出版社内容情報
心の営みの科学的な探究は,どうすれば可能なのか。言語を例にとり,それを見ていこう。出所の異なる概念どうしを組み合わせる能力こそが,ヒトにしかない思考をもたらしている。その中心にあるのが言語なのだ。認知の本質は計算と表示。計算の観点から,言語に限らず,認知のどの分野でも通用する原始語で論じることが肝心だ。
内容説明
心の営みの科学的な探究は、どうすれば可能なのでしょうか。本書は、言語の領域で、その実例を見ていきます。出所の異なる概念どうしを組み合わせる能力こそが、ヒトにしかない思考をもたらしています。その中心にあるのが言語です。私たちの特徴は、ホモ・サピエンス(賢い人類)と呼ぶよりも、ホモ・コンビナンス(組み合わせる能力のある人類)と呼んだ方が、もっと的確に捉えられることでしょう。認知の本質は計算と表示です。計算の観点から、言語に限らず、認知のどの分野でも通用する原始語で論じることが肝心なのです。
目次
第1部 チョムスキー以来ずっと(心の問題―チョムスキーの危険な考え;心の全体像の機械化;心はどのようにして成長するのか―メノンからノームまで)
第2部 文をほぐす(心の化学;言語経験の多様性―バベルの塔とピサの斜塔;すべての道は普遍文法に通ずる)
第2部 行動の心的基盤(意味の意味を理解する―指令書;心の不思議な営み―言語なしでは考えられない;文法の現場を押さえる)
第4部 欠けているつなぎ(心の(間違った)測り方
ホモ・コンビナンス
計算器官論
締め口上)
著者等紹介
ブックス,セドリック[ブックス,セドリック][Boeckx,Cedric]
1997年、ベルギーのルーバン・カトリック大学エラスムス・カレッジ卒業、2001年米国コネチカット大学大学院にて博士号取得。米国ハーバード大学の助教授、准教授を経て、現在はスペインのカタラーナ高等研究所・バルセローナ自治大学の研究教授。専門は、生物言語学、理論言語学、統語理論、極小主義
水光雅則[スイコウマサノリ]
名古屋外国語大学教授、京都大学名誉教授。研究領域は英語学、言語理論。科学哲学や大学英語教育の見直しなども行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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