内容説明
子どもたちの悩みにイスラーム学者が答えたらこうなった。壊れた社会を生きていくために、私たちが知っておくべきこと。
目次
1章 なぜ人を殺してはいけないのですか―人生の悩み
2章 いじめられています―人間関係の悩み
3章 なぜ勉強しなくてはいけないのですか―勉強の悩み
4章 夢が持てません―世界征服のススメ
5章 好きな人に告白できません―恋愛の悩み
6章 人は死んだ後どうなるのですか―その他の悩み
著者等紹介
中田考[ナカタコウ]
イスラーム法学者。1960年生まれ。灘中学校、灘高等学校卒業。早稲田大学政治経済学部中退。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。カイロ大学大学院文学部哲学科博士課程修了(Ph.D)。1983年にイスラーム入信、ムスリム名ハサン。現職は同志社大学―神教学際研究センター客員フェロー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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徒花
156
おもしろかったー!自身もムスリムである日本人イスラム法学者の先生が、中学生が抱きそうなさまざまな疑問・お悩みに答えていく体裁を取りながら、最終的に「世界制服をしなさい」と啓蒙する一冊。「あなたはバカなんだから」とか「どうせ自殺するならいじめている相手を殺してから死になさい」など乱暴な言葉もあるけれど、イスラームの教えに基づいて日本社会に蔓延している暗黙のルールとか固定観念みたいなものに縛られている自分に気づかせてくれたりする。ムスリムになるのもいいかもしれないと一瞬考えたり。これはおもしろい。2020/08/24
☆よいこ
81
YA。斜め上からの人生相談。イスラーム法の専門家である著者がバッサばっさと切り捨てていく痛快人生相談「みんなちがって、みんなバカ」「バカの価値は若さだけ」部活と勉強だけで測られている気がするという若者には「可愛さ」をおすすめするw特にネコ▽生きている文化圏というか世界線が違う方なのかな。暴論なのですが、変な勢いと説得力さえ感じます「世界平和は誰かがやるもの、世界征服は自分でやるもの」神の前では人間なんてちっぽけでバカでとるに足りないものなのでしょう▽著者のラノベは気になっていたので今度読むわw2019年刊2024/01/29
たまきら
48
高橋源一郎さんの本より。最初から最後まで笑いっぱなし。娘が参戦し、「無茶苦茶言うおっさんだなあ」と言いながらも世界征服に興味津々。そうでしょう、アナタ世界征服もくろんでるじゃない。「ううむ、家出してみようかなあ」と危険思想も芽生えました。用法に注意してお読みください。2023/12/12
さら
27
「なぜ人を殺してはいけないのですか?」こう訊かれたらなんと答えますか? 深く考えるまでもなく、それは絶対駄目だと思いますよね。ところが中田先生、「人を殺してはいけない理由なんてどこにもありません。」いやはや度肝を抜かれます。 勿論、だからといって人を殺してもいいと言っているわけではありません。 他にも中高生が持つ悩みや疑問に答える中田先生。イスラーム法学者であり入信されている中田先生の回答をきくと、悩んでいることも大した問題ではないように思えてきます。共感出来ても出来なくても何かを残してくれる本です。2019/11/26
空猫
26
日本に生まれ育った日本人ながらイスラム教徒である中田氏の、なんと学生向けの人生相談。相談内容は普遍だなぁ。もちろん中田氏の回答の方が目当て。他殺、自殺をしても良い。選挙には行かなくても良い。悩みごとの解決法は無いので我慢するか逃げること。予想通り 、神>人間のイスラム教徒ならではの、日本人からすれば斜め上からの意見でとても興味深かった。とにもかくにも「カリフ制再興」で世界征服じゃ!2020/10/27