出版社内容情報
福島 直恭[フクシマ ナオヤス]
著・文・その他
内容説明
訓読文はどのように成立し、どのような変遷をたどったのか。なぜ昔の日本人は、中国語の文章や詩を翻訳するときに、「ちょっと違った感じのする日本語」にしたのか。訓読文を語るときに欠かせない、漢語についても詳しく説明―漢語とは何か、どのように日本語の中に入ってきたのか。漢文の授業が苦手だった人も楽しめる「ものがたり」。
目次
序章 本書の基本的立場
第1章 訓読についての基本的説明
第2章 他文化受容の一形態としての借用
第3章 漢語の受容と日本語の変化
第4章 訓読文体の確立と訓読文の表記の変遷
第5章 訓読文の変遷と終焉
第6章 漢語が仲立ちした書記言語の交替
終章 まとめとひとつの問題提起
著者等紹介
福島直恭[フクシマナオヤス]
1959年北海道生まれ。学習院女子大学国際文化交流学部教授。博士(言語学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のりたま
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日本語の中の訓読と漢語の変遷について述べている。従来言われていることと画期的に異なっているという部分は見受けられなかったが、時代の変遷という観点で述べたところが他の書とは異なる。訓読というものの捉え方が一般とは異なっているが(123頁)、そのことによって従来の解釈が変わったり新しいことが明らかになったりという例は挙げられていなかったのが残念。一般の読者にも向けて書かれているので語の定義などにかなりの頁が割かれているが、それでも一般の読者には難しいと思うので、最初から専門書とした方がよかったかもしれない。2023/02/24