内容説明
一九世紀後半に地球規模で起こったグローバリゼーションの波。それによる衝撃と対応によって明治維新は引き起こされた。そして日本は、アジア世界における「西洋標準」(グローバル・スタンダード)の推進派として外交を展開し、「華夷秩序」とのさまざまな摩擦や衝突を引き起こしつつ、伝統的なアジア世界が解体していくきっかけをつくった。本書では、「外交」を民間レベルの交流まで含んだ広義の意味でとらえ、「西洋標準」を導入していった日本と、それと新たな関係を築きつつあった諸外国との関係を通して維新変革の姿を描き直す。
目次
総論 明治維新と外交
1 外務省の誕生
2 明治維新期の日朝関係―近世日朝通交システムの終焉
3 アジアの中のアメリカ人―チャールス・リジェンドルと明治初期の外交
4 冊封体制をめぐる日清外交―明治一〇年代の琉球・朝鮮をめぐって
5 外国人居留地の開設―横浜外国人居留地を中心に
6 日本開港とロウ貿易―オランダ貿易会社を例に
7 日中経済近代化の比較研究
8 条約改正交渉をめぐる国際関係