内容説明
没後１００年。マタ・ハリ評伝の、古典的名著本邦初訳！これは世紀の冤罪か―放蕩な女スパイのレッテルを貼られながらも、気高く死んでいった女性の生涯を辿り、真の姿に迫る本格評伝。本人が遺した貴重な一次資料を駆使して書かれた唯一の書。第一次世界大戦期、各国の思惑が交錯する諜報の世界に巻き込まれ、スパイの嫌疑をかけられた彼女は本当に有罪だったのか？
著者等紹介
ワーヘナー，サム［ワーヘナー，サム］ ［Ｗａａｇｅｎａａｒ，Ｓａｍ］
作家、ジャーナリスト、写真家。１９０８年アムステルダム生まれ。１９２７年、ＭＧＭ（メトロ・ゴールドウィン・メイヤー）に入社。１９３５年にＭＧＭを退職後、映画や新聞業界に携わりその後国際ニュース・サービス（ＩＮＳ）の特派員として活躍。１９４２年以降フリージャーナリスト、作家として活動。代表作であるＭａｔａ Ｈａｒｉ：Ａ Ｂｉｏｇｒａｐｈｙ（１９６４）では、幸運にも、マタ・ハリ本人が丁寧に作ったスクラップブックを手に入れる機会に恵まれ、マタ・ハリを知る関係者への直接取材を元にしたことから、数ある類書の中でも基本図書となり、各国で翻訳された。また、様々なドキュメンタリー映画の製作も手掛けている。１９９７年没
井上篤夫［イノウエアツオ］
作家、翻訳家。早稲田大学在学中から執筆活動を始める。欧米を中心に、時の人物を深く掘り下げた評伝を数多く出版、翻訳の分野でも活躍している（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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ﾎﾟﾚﾎﾟﾚ
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マタ・ハリとは何者だったのか？ 噂や噓や伝説に塗れて実像が判別し難い彼女の生涯を著者が丹念に追うことで見えてきたのは、自らの願望にとても忠実な－－誰よりも見栄っ張りで贅沢好みで向こう見ずで、戦時下だろうと自粛なんかしない点を除けば普通の女性だった。言われてみれば、本当に「伝説のスパイ」なら失敗することも記録に残ることも無いだろうし。 ★★★★☆2024/04/11
Stuka
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マタ・ハリ処刑後の後日譚として、ほとんど関係者の死のみにしか触れずに急速に物語の収束へと向かう構成は、｢銃殺刑で死のうと平凡な生活の末に死のうと結局違いはない｣と言われているようで、より一層物悲しさを感じた。2021/02/21
