目次
廃仏毀釈運動
初期に見られる仏教側の社会的目覚め
内山愚童―革新的曹洞禅僧
既成仏教教団による革新的社会活動の拒絶
軍部政策に吸い込まれた仏教(一九一三‐三〇)
軍国主義に対する仏教側の反抗
禅、その暗殺者たち
皇道仏教の誕生
皇国禅、そして軍人禅の登場
戦時に協力した禅の指導者たち
戦後における皇道仏教、皇国禅、あるいは軍人禅への反応
戦後日本における企業禅の登場
著者等紹介
ヴィクトリア,ブライアン・アンドレー[ヴィクトリア,ブライアンアンドレー] [Victoria,Brian A.]
オックスフォード大学付属仏教研究所研究員。1961年、ネブラスカウェズリアン大学外国語専攻卒業。1971年、駒沢大学(仏教学研究)にて修士(M.A.)取得。1996年、テンプル大学(宗教学)にて博士号(Ph.D)取得。オークランド大学及びアデレード大学を経て、アメリカに帰国。アンティオック大学教授を退官。専門分野は、仏教学、禅学、日本学研究
ツジモト,エイミー・ルイーズ[ツジモト,エイミールイーズ] [Tsujimoto,Aimee L.]
フリーランス・ジャーナリスト。米国ワシントン州出身生まれの日系四世(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kochi
18
廃仏毀釈の嵐を乗り切った後、富国強兵と対外戦争を繰り返す日本において、仏教界、特に禅宗はいかに、政府・軍部に迎合し、戦争協力を行ったのか、また、戦後にどのように自己を省みたのか? 時代と世相からやむを得ない点はあったかもしれないし、利用されたところはあるかもしれないが、本書には戦争に協力したビッグネームを含む禅僧に対する批判が数多く記されている。自らの反省と共に教団などを批判した孤高の人たちがいたことには救われる。大拙は、禅僧の知識の無さが原因と述べているらしいが、禅は無になる事が大事なので、なんとも…2022/06/02
Schuhschnabel
3
日清・日露戦争からアジア・太平洋戦争に至るまでの仏教の戦争協力を禅宗に焦点を当てて紹介している。神仏分離令に端を発する廃仏毀釈運動から国家イデオロギーとしての国家神道の成立まで、仏教は一貫して弱い立場に置かれたために、国家のために役に立つことを示さなければならなかったことを指摘しつつも、個々の禅僧(特に鈴木大拙)や教団の責任を逃れることはできないと断罪する。某ジャンプ漫画のイメージがちらついて、活人剣という概念がいまいち理解できない。内容とは関係ないが、訳が自然な日本語ではないので少し読みづらさを感じる。2021/06/07
Hiroki Nishizumi
2
禅に限らず日本国内の仏教界はほぼすべて国策と方向を同じくして大いに戦時協力を行った。この事実は重い。鈴木大拙、沢木興道、山本玄峰、大森曹玄、、、名だたる僧も完璧では無かったということか。人間とは所詮その程度の存在なのか、考えがまとまらないな。2022/09/01
天使
0
TOPには逆らえないのか。 2022/05/24