出版社内容情報
テクノ、SF、ファッション、建築……
あまりに豊穣な革命文化の遺産!
ロシア革命直後の1920年代、新しい社会主義文化建設のために生まれた《ロシア構成主義》。なぜこの文化運動が21世紀になお模倣され、あらゆるモードの祖型となったのか? 「住まう」「暮らす」「見せる」「報せる」をキーワードにその実像を描き出した、出色の書き下ろし論考。
[図版130点以上収録]
目次
第1章 色と形の組織学
第2章 社会主義の造形
第3章 社会主義に住まう
第4章 社会主義に暮らす
第5章 社会主義を見せる
第6章 社会主義を報せる
著者等紹介
河村彩[カワムラアヤ]
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院。東京大学総合文化研究科博士課程修了(博士)。専攻は、ロシア・ソヴィエト文化、近現代美術、表象文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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阿部義彦
13
既存のフォルムを模倣するのではなく、新たな絵画的フォルムを作り上げる事。キュービズムの考え方にや近いものを感じた。プロパガンダもキーワードです。だが政治や歴史には疎かったのでその辺は飛ばし読みでした。図版が多いので大変助かりました。=ロシア・アヴァンギャルド。展示方法が包括的で関連性まで考えて新機軸だなあと思った。2019/03/26
河村祐介
3
引越で全然本なんか読めてないんだけど、ずっと積ん読にしていたこれを。いくつかロシア構成主義の本読んだけど、一番わかりやすかった。資本主義と社会主義革命、つまりは大衆労働者が社会において大きなうねりを作り出すようになった1990年代前半、そこから生まれ出たプロダクツ思想が以外といまの資本主義社会にミームのように生きているようなところがおもしろというかなんというか。 2019/06/24
にしの
2
社会主義建設に向けた芸術家たちの実践が、たくさんの図とともに語られます。建築、ポスター、家具、フォトグラフなど表現は個別ですが、革命と社会主義建設という環境によって彼らの実践は方向性を持ちます。そして、1925年のパリ万博において、資本主義社会の流行りのアール・デコと構成主義が相対します。それは、芸術の衝突である以上に社会の衝突でした。アール・デコのデザインの本と合わせて読むと楽しめるかもしれません。2019/06/29
毒モナカジャンボ
0
帝政末期から1910年代にかけてのロシア・アヴァンギャルド、20年代までのロシア構成主義から社会主義リアリズムという単線的歴史理解ではそれぞれの運動で活躍した個々の芸術家たちの多様な実践を理解し損なうことになる。イデオロギー的な側面だけでなく、キュビズムにヒントを得た造形力および構成力の応用という観点から、認識の革命・革命の認識を行う新しい人間を生み出そうとしたアヴァンギャルドの試みが、芸術を生産に転換し、生活様式をも革命し、その革命を広告していく構成主義に受け継がれる。物質のユートピアはまだ訪れない。2020/04/28
ヨヨヨ
0
ちょっと私には難しかったのでまた挑戦したい2019/11/18