「わかっているのにできない」脳〈１〉エイメン博士が教えてくれるＡＤＤの脳の仕組み

エイメン，ダニエル・Ｇ．【著】〈Ａｍｅｎ，Ｄａｎｉｅｌ Ｇ．〉/ニキ リンコ【訳】

花風社（2001/10発売）

• サイズ B6判／ページ数 316p／高さ 20cm
• 商品コード 9784907725310
• NDC分類 493.7
• Cコード C0036

内容説明

ＡＤＤ（注意欠陥障害）は実在の障害なのか？それともただの言い訳なのか？本書の登場で、こんな論争には終止符が打たれる。一万人の脳の画像が語るＡＤＤの脳の仕組みと６タイプ別ＡＤＤ具体的対処法。

目次

第１部　ＡＤＤを知る（等身大のＡＤＤ―ＡＤＤの人はどんな人生を送るのか？；ＡＤＤだと何が起きるか？；ＡＤＤの脳を探る―精神医学におけるＳＰＥＣＴ手法の発達；エイメン・クリニック式ＡＤＤ分類チェックリスト）
第２部　ＡＤＤ：６つのタイプ（タイプ１　典型的ＡＤＤ；タイプ２　不注意型ＡＤＤ；タイプ３　過集中型ＡＤＤ；タイプ４　側頭葉型ＡＤＤ；タイプ５　辺縁葉型ＡＤＤ；タイプ６　「火の輪」型ＡＤＤ；頭部外傷とＡＤＤ；家族にＡＤＤの人が複数いる場合；ＡＤＤと物質濫用；脳がしかけるネガティヴ・ゲーム；ＡＤＤの影響）

著者等紹介

エイメン，ダニエル・Ｇ．［エイメン，ダニエルＧ．］［Ａｍｅｎ，Ｄａｎｉｅｌ　Ｇ．］
臨床神経科学者、精神科医、エイメンクリニック（カリフォルニア州、フェアフィールドおよびニューポートビーチ）院長。「脳と行動」、「注意欠陥障害（ＡＤＤ）」の専門家としてアメリカ全土で広く知られている。注意欠陥障害の分野では、世界最大の脳画像データベースを保有している。ワシントンＤＣのウォルター・リード陸軍医療センターで精神科の総合トレーニングを、ハワイ州ホノルルで児童精神科のトレーニングを受ける。その執筆活動・研究活動が認められ、アメリカ精神医学会、アメリカ陸軍、バルチモアＤＣ心理分析研究所などから各種の賞を受賞。講演家としても、天性の巧みな話術で知られている

ニキリンコ［ニキリンコ］
翻訳家。心の問題に興味をもち英語の文献を多数読むうちに、翻訳の仕事とめぐり合う
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[鈴木双葉（全日本目が死んでる団団長）]

お・も・し・ろ・い！ADD（注意欠陥障害）の人は、遺伝・事故・薬物などの影響により一定数存在し、能力が発揮できない、反抗的・粗暴になる、コミュニケーションの阻害、DVや虐待のひきがねになる等の悪影響がある。発達障害の存在を認めない立場の人も存在するが、脳SPECT検査によるスキャンで、普通の人との脳の働きの違いが視覚化できる。人によっては薬の投与や生活指導で、かなり好転させることができる、らしい。ぜひ2も読みたい。

2010/12/02

[とりぴよ]

とにかくADDの症例がたくさん紹介されている。ADDの6つのタイプそれぞれ脳画像付きで、脳のどの部位の活動が過少あるいは過多なのか説明され興味深く読んだ。ADDの主な症状である「集中力のなさ」は、集中しようとすると前前頭皮質の活動が低下することによるとか。古い本だが関係者は一読すると参考になると思う。特に周囲の人が「脳がしかけるネガティブゲーム」を頭のすみにおいておくことで、日常のトラブルが減るのではないかと思う。

2014/11/08

[とうふ]

ADDとは脳の器質的な疾患によって引き起こされる、というのが脳の画像診断によって如実に分かるという話。前前頭皮質、側頭葉、辺縁系の活動過少、活動過多によってそれぞれ異なる症状を引き起こす。どの部位の症状を鎮静化するか賦活するか。10年以上前の本だし今では使われていな薬もあるんだろうけどADDに対してかなりの種類の治療薬を使っているのに驚いた。日本では現状コンサータとストラテラしか使えないが紹介されてる薬だけでもリスパダール、ザイプレクサ、アデラール、デパコート等々。ADDに対する理解がかなり深まった。

2016/10/11

[くま]

久々に目から鱗。器質的な問題、内因的な問題を除外して始めて心理的な問題っていうのが定石だけども、そのことを改めて思い知らされた。心理をやる人間としては、脳の問題は避けては通れない問題だと思います。

2015/06/01

[永月莎夜（ながつきさや）]

『どちらが本当の自分か』という命題に対しての、『脳が十全に働いている方』という結論に救われた。……日本でも（大人も診てくれる）専門医が増えてくれることを祈る。

2009/09/02