内容説明
自由な思惟のエッセンス。
目次
第1部 憲法学の虫眼鏡(森林法違憲判決;法律の誠実な執行;カール・シュミット『政治的ロマン主義』 ほか)
第2部 法の森から(ルソーのloiは法律か?;戦う合衆国大統領;フランソワ・ミッテラン暗殺未遂事件 ほか)
第3部 比較できないこと(比較できないこと;サリンジャーと出会う;人としていかに生きるか―カズオ・イシグロの世界 ほか)
著者等紹介
長谷部恭男[ハセベヤスオ]
1956年広島に生まれる。1979年東京大学法学部卒業。現在、早稲田大学法務研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nagoyan
8
優。憲法学者の長谷部恭男先生のコラム集。話題は当然に憲法学に関することから、フォークランド紛争やサリンジャー、カズオイシグロに至るまで。先生の憲法学のバックボーン、地下水脈即ち思想の原型たる「感受性」の在り方が、垣間見える。様々に心に留めておくべきことがあるのだが、中でも、最終章291頁の最後の2行の「憲法典の物神崇拝」は心すべきことだろう。そして、個人的には、かかる物神崇拝≒憲法法律で国民道徳を変えうると信じるような態度をとる一方で、まったく憲法、法律に敬意を払わない為政者の態度こそ奇妙に感じられる。2020/04/12
たか
5
長谷部先生の著書たまに読んでますが今回はこちらを。エッセイ集みたいな内容だから法学の専門知識無くても大丈夫です。2020/06/30
まさにい
4
憲法についてのエッセイ集。結構安倍元首相の批判が比喩的に掲載されている。そうだよなぁと思う。ルソーの社会契約論についてのエッセイはそうそうと頷くところが多い。やはり解釈に幅があったんだなぁ。いわゆる一般意思もよく言われているものではないのではないかと思っていたが(ルソーの社会契約論を読んで)、そう考えるのも間違っていないことをこの本で確認。もう一度、しっかりと注も含めて読んでみようと思う。民主主義の考え方も参考になる。そう短期的な利益追求になると、もう民主主義が崩壊してしまう。アメリカのゆくへは……。2024/03/21
nobuharuobinata
0
憲法学の基本が散りばめられているエッセー集。ときにウィットにとんだ表現もあり読んでいて楽しい。当代随一の憲法学者というのはやっぱり凄いと思いました。2022/06/09
わんぱら
0
再読。最近の長谷部先生の関心が思想史というか歴史に寄せられていることがよくわかる。もちろん哲学もあるけど、思想史的興味の方が強い感じ。2020/03/30