バレンボイム音楽論 - 対話と共存のフーガ

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  • サイズ B6判/ページ数 234,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784903951102
  • NDC分類 760.4
  • Cコード C1073

出版社内容情報

パレスティナ自治区での奇跡のコンサートを実現させたマエストロが、サイードとの共著『音楽と社会』(みすず書房)ののちに到達した思想がここに結実。不条理に満ちた時代に音楽による希望を力強く謳いあげる。日本版オリジナルの序文付き。

日本版への序文
第1部 対話と共存のフーガ
 プレリュード
 音と思考
 聴くことと聞くこと
 思考と演奏および解釈の自由
 オーケストラ
 2人のパレスティナ人
 フィナーレ
第2部 変奏曲
 「私はバッハで育った」
 モーツァルト
 フルトヴェングラー
 ブーレーズ
 エドワード・サイードの思い出
 I Have a Dream
 ヴォルフ賞授賞式のスピーチ
訳者あとがき
解説(岡本 稔)
バレンボイム年譜(作成:岡本 稔)

 本書は音楽家のための本でも、音楽家でない人のための本でもなく、音楽と人生のあいだの相似を、そして考える耳には聞きとれるようになる知恵をみつけだしたいと願う、好奇心に満ちた人のための本である。それをみつけだすことは、ごく若いときから音楽教育を受けはじめる、とりわけ才能豊かな音楽家たちだけに許される特権でも、象牙の塔の超俗的態度でも、富裕な人びとだけが享受できるぜいたくでもない。私は耳の知性を発展させることはだれにとっても不可欠だと信じている。本書の「聴くことと聞くこと」の章で述べるように、私たちは、音楽を聴く側であろうと演奏する側であろうと、人生に役立つ多くのことを音楽の構造、原理、法則などから学ぶことができるのだ。(プレリュードより)

本書には、著者の音楽の本質に対する深い洞察と、現実と理想の乖離をおそれることなく、まさに音楽において理想的なかたちで実現しているように、異質なものどうしが対話を重ねながら共存する道を見出さなければならない、という強い意志と信念がみなぎっています。指揮者バレンボイムの真髄を知るには欠かせない1冊となるでしょう!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Taka

39
天才音楽家が音楽、音楽の持つ力について持論を展開する。ご本人はユダヤの方で、イスラエルと中東諸国との宗教的な対立に対して、音楽を通じて融和へと向かうご努力を熱い想いでされている。2018/01/31

松本直哉

21
音楽論の中でとつぜんオスロ合意に話が飛ぶ。彼にとって音楽は世界と無関係な娯楽ではない。声部どうしで聴きあいながら楽曲を仕上げる過程が、矛盾と対立を超えて和平を摸索する政治とのアナロジーで語られる。形而下の有限な音の連なりの彼方に、形而上的で普遍的な可能性を探ろうとする彼の哲学的・倫理的音楽観は、引用される譜例からも明らかなようにバッハ・ベートーヴェン・ワーグナーを軸とする西欧近代の高尚な音楽(musique savante)を前提とするが、非西欧や娯楽音楽など音楽全体にも適用可能なものなのだろうか。2018/09/26

Goya

1
★★★2015/12/24

♡mayumelo♡

1
年末、バレンボイムさんの指揮で演奏聴けるのがますます楽しみになった♡2013/08/22

Kei

1
これは面白いっ!!邦訳も真面目に誠実に取り組んであって嬉しい。例のサイードとの共著も図書館にあればなぁ…そして、あの賛否両論のバレンボイムの平均律クラヴィーア曲集、聴いてみたくなった!2012/08/07

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