内容説明
卑弥呼、空海、安倍晴明、出口王仁三郎、宜保愛子…日本史に残る霊能者30人の生涯をふりかえりつつ、また日本人の霊魂観の変遷を確認しながら、古代から現代までの日本の歴史を読み直す。と学会屈指の歴史通による、面白くてためになる日本宗教史・入門読本。
目次
古代(卑弥呼;聖徳太子 ほか)
中世(日蓮)
近世(天草四郎;祐天 ほか)
近代(浜口熊岳;長南年恵 ほか)
現代(高橋信次;竹内てるよ ほか)
著者等紹介
原田実[ハラダミノル]
1961年広島市生まれ。広島市在住。歴史研究家。と学会会員。龍谷大学卒業後、1984年から3年半、八幡書店(出版社)に勤務。古史古伝・霊学書籍の広告を担当。その後、広島大学研究生、昭和薬科大学文化史・心理学研究室助手(1990~93年)を経て、歴史研究・執筆活動に入る。またそのかたわらで「市民の古代研究会」代表を務める(2001年~02年)。古代史・偽史・サブカルチャー関係の論考多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あべっち
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信仰や社会運動とそれを先導した人のカリスマは切りはなせない。しかし普通のまっとうな思想史、宗教史はここをスルーする。カリスマは超能力、超常現象等の俗流オカルティズムに由来する部分が大きいからだ。本書は卑弥呼から宜保愛子までをざっくりつなげる荒業で、時代、時代のカリスマがどのように生み出され、需要されてきたか、その系譜を描き出した。これを読んで現代の新興宗教がどういう空気のなかで活動しているのか,だいぶ整理して把握できるようになった気がする。2014/07/17
目目水母
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近年の霊能者や占い師、宗教家が自分でまったくオリジナルのスタイルを築いたのではなく、こうした過去の偉人たちからちょっとずつ拝借してきているのが分かって面白い。とくに天草四郎から後年伝奇小説などに見られる妖術師のイメージが作られたという指摘や、新興宗教における出口王仁三郎の影響力がよく分かった。 広く浅く紹介しているので、もっと知りたいとページを捲っていくと、いきなり違う話になったりして興味を殺がれてしまうのが残念。2011/09/11
くさてる
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古代から現代に至るまでの日本史に登場する霊能者の紹介を中心にしながら、日本における心霊、宗教の捉え方の変遷を追った一冊です。登場する霊能者は全部で30人。主なところを紹介すると、古代から卑弥呼、聖徳太子、役小角、安倍晴明に始まり、中世・近世では、日蓮、天草四郎。さらに時代は下って、御船千鶴子や出口王任三郎、谷口雅春など近代の人間を紹介したあとで、現代の高橋信次、宣保愛子などに至り、江原啓之にも言及しています。なんとなく名前を知っていただけの宗教団体の出自や、流れなどを体系的に知ることが出来て満足しました。2009/08/19
みのたか
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霊能については触れず、霊能者に焦点を当てた内容。扱う時代が広く、近代になると内容が薄くなった。