内容説明
元禄の世を駆け抜けた天才絵師・尾形光琳―。類稀な画才を発揮して人々を魅了した京の呉服商・雁金屋の“ぼん”の華麗奔放な生涯を、点描の手法で描ききった物語「尾形光琳伝」。『紅白梅図屏風』など代表作をカラーで多数収載。
著者等紹介
飛鳥井頼道[アスカイヨリミチ]
本名・舩橋晴雄。1946年東京生まれ。東京大学卒業。大蔵省に入り、30年余、官僚生活を経た後、2002年退官。翌年シリウス・インスティテュート株式会社設立、代表取締役
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感想・レビュー
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かじ
2
幼少から晩年までの光琳の時々を短く綴った「点描」を妻女多代の聞書の体で補足し、資料的に同時期の「光琳年譜」が添えられている。大店の次男坊が放蕩の末に画業で食っていく決心をしつつも、「今業平」の性は終生変わらず。作品に関するエピソードはほとんどないので、絵師・尾形光琳というより最後まで雁金屋のぼん・市之丞を見ている気がした。「この世は仮の宿やいうけど、やはりそこに執着して生きていくしかないんや」と、奔放に生き切った男。しかしよく出来た奥さんがいて本当に良かったね、という話。か?2014/02/05