内容説明
周知の通り「シャープ」は、債務超過に陥り、台湾の鴻海精密工業の傘下となった。液晶の勝ち組であったシャープが、液晶の堺工場を建設したことをきっかけとして一気に債務超過にまで至ってしまったのだ。日本の大手電機メーカーが、外資系企業に買収されるのは、これが初めてのことであった。それから2年の時を経て、鴻海の傘下でシャープは驚異の復活を遂げた。なぜ鴻海の傘下でシャープは復活することができたのか―。これが、この本の主題である。
目次
第1部 シャープの救世主:戴社長の「日本型リーダーシップ」(戴正呉社長との面談;「社長メッセージ」から見る戴社長の人柄と戦略 ほか)
第2部 郭董事長の「規範破壊経営」とシャープへの恋(郭董事長の「規範破壊経営」)
第3部 シャープ・鴻海連合の復活戦略と死活問題(シャープと東芝の命運を分けた分水嶺;「テレビ1000万台」達成の後遺症から「自力開拓」へ ほか)
第4部 大転換するアジアの「ものづくり」(鴻海・シャープ連合で三兎を追う「規範破壊経営」;シャープが有機ELスマホで仕掛ける日韓戦争 ほか)
著者等紹介
中田行彦[ナカタユキヒコ]
1946年、京都生まれ。1971年神戸大学大学院卒業後、シャープ株式会社に入社。以降、33年間勤務。液晶の研究開発に約12年、太陽電池の研究開発に約18年。その間、3年米国のシャープアメリカ研究所等米国勤務。2004年から立命館アジア太平洋大学の教授として「技術経営」を教育・研究。2017年4月から立命館アジア太平洋大学名誉教授・客員教授。2009年10月から2010年3月まで、米国スタンフォード大学客員教授。2015年7月から2018年6月まで、日本MOT学会企画委員長。工学博士(大阪大学)、博士(技術経営:立命館)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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