内容説明
明治以前の常用漢字を紹介しながら、異体字および漢字全般についての基本的な知識をわかりやすく解説する。現代常用漢字の問題点など、教科書や漢和辞典の教えてくれない、目からウロコの情報を満載。
目次
鶴―将軍の祝膳をかざる
辺―漢字は豹変する
殺―天道、人を殺さず
牢―あな憂し、あな憂し
覚―近ごろもの覚えが…
春―春宵一刻値千金
梅―東風吹かば匂ひおこせよ
時―歳月人を待たず
逃―三十六計にぐるに如かず
発―現代、弓は不要となる〔ほか〕
著者等紹介
杉本つとむ[スギモトツトム]
1927年横浜生まれ。文学博士。早稲田大学名誉教授
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
33
同じ著者による「異体字とは何か」の続編、として読んだ。個々の字についての直接の解説なので、読んでいておもしろい。一見して誤字のように思われる異体字が、実は長年の伝統をふまえていて、むしろ使用頻度では正字の上を行くことも、大いにあるというのはすごい。異体字を把握していないと古文献・金石文を読み誤るという恐ろしさも警告してくれる。ところで表紙左上の字は、やっぱり私も洋菓子屋さんに関係づけて思い出す。あいにくと鎌倉の、ではありませんが。右上は「和同開珎」で有名な字だが、その読み方を明快に示してくれる。なるほど。2015/03/17
yanapong
2
事例を上げて異体字を根源から丁寧に説き起こす。漢字・異体字に興味のある人は読んだほうがいい。2011/06/24