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歴史と出会う

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784896914627
  • NDC分類 204
  • Cコード C0221

内容説明

戦後日本の歴史学が生んだ泰斗、網野善彦の仕事は、左翼運動の挫折を乗り越えるための厖大な読書量と、さまざまな人々との出会いから生まれた。その成果は歴史研究の枠をはるかに凌駕してベストセラーを生み出し、さらにその影響力は文学や映像の世界にまで拡がっている。読者と同じ目線で歴史を学び、研究することの愉しさを教えてくれる一冊。

目次

1 名著との出会い(人生とともにある読書;自分の「眼」で本を読む;対話 アジアと日本の“海の民”・『ナマコの眼』をめぐって―鶴見良行vs網野善彦 ほか)
2 歴史と小説の出会い(「無縁・公界・楽」の行方―隆慶一郎とその世界;対話 隆慶一郎の世界―縄田一男vs網野善彦;対話 戦乱の時代を超えた男の夢―北方謙三vs網野善彦)
3 中世史と映像の出会い(「自然」と「人間」、二つの聖地が衝突する悲劇―映画『もののけ姫』評;対話 「もののけ姫」と中世の魅力―宮崎駿vs網野善彦;『太平記』時代に変わった日本―NHK大河ドラマと中世史研究 ほか)
4 出会いと別れ―追悼記(下積みの世界に注がれた目―宮本常一氏を悼む;「海の民」研究の新時代―河岡武春氏の遺著に寄せて;思い出すままに―河岡武春氏を悼む ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

もりくに

15
網野善彦には、前から興味があったが、遠巻きにしているうちに、膨大な著作が積み上がり、手に負えなくなっていた。それでも、しばらく前にやっと中沢新一の「僕の叔父さん 網野善彦」を読み、軽いところから、本書を選んだ。本書は、彼の短文や対談、インタビューから構成され、読みやすい。「日本通史」と名を変えた「日本歴史」の編集が、時代区分の再検討という認識のもと刊行とは、驚き。特に協働した画家の司修の「河原にできた中世の町をめぐって」(絵本)は、ぜひ読んでみたい。また、宮本常一に対する彼の敬愛の情が、非常に胸に迫す。、2016/03/09

Francis

8
網野善彦さんの短文、対談、追悼文などをまとめたもの。とは言え、網野さんの読書遍歴など、とても興味深いものぞろい。宮崎駿さんだけでなく、北方謙三さんや鶴見良行さんとの対話も面白い。2015/11/11

ひかりパパ

7
我が家の受験生に読ませたい本。網野史学がどのように作られたのかが分かり大変参考になった。網野さんがマルクス、エンゲルス、ウェーバーを読みはじめて学生運動に深入りしていくくだり読んでやっぱりそうかと納得した。隆慶一郎や北方謙三の小説から歴史学者の網野さんが影響を受けていることに驚く。この本と出会う機会を下さったBalthazarさんに感謝します。 2015/11/21

赤坂ナイン

6
民俗学で傍流の、名も語られぬ人々の歴史を語り続けながら、盲目な主流を批判することさえした網野善彦の、他者の著作に寄せた解説や対談、追悼の文が載せられている。民俗学それ自体の話というよりも、網野氏が辿ってきた民俗学の足跡の一片を知る事が出来る一冊。網野氏と宮崎駿の対談は興味深かった。網野氏に興味がある方や民俗学の歴史について知りたい方にオススメオススメ。2009/10/01

おらひらお

4
2000年初版。網野善彦さんの対談や追悼文、本の紹介をまとめたもの。個人的には宮崎駿との対談が面白かった。というか異分野の人と対談できる歴史研究者はすくないだけに貴重な人でした・・・。2012/01/24

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