洗脳の楽園―ヤマギシ会という悲劇

洗脳の楽園―ヤマギシ会という悲劇

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  • サイズ B6判/ページ数 334p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784896912951
  • NDC分類 379.3
  • Cコード C0095

内容説明

「善意」の道は一直線に地獄に通じる!ユートピア社会をめざすヤマギシ会は、なぜ家族崩壊や子どもの不幸を招くのか?ヤマギシ会に潜入し、洗脳のかなめである「特講」をはじめて体験取材。隠されてきた「会」の秘密のヴェールを剥ぐ。地を這う取材で明らかになったヤマギシ会の真実とはなにか。

目次

プロローグ 僕なんか死ねばいいんだ
第1章 地上の楽園
第2章 脱走する子どもたち
第3章 交わることのない「二つの真実」
第4章 脳を洗う(4月28日~29日)
第5章 脳を洗う(4月30日~5月5日)
第6章 脳を洗った八十八人のその後
第7章 脳に浮かんだユートピア
第8章 「地上の楽園」の実態
第9章 ユートピアの終着点
エピローグ 重い十字架

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Mishima

35
村上春樹著『1Q84』中の宗教団体のモデル『ヤマギシ会』について書かれていると目にして読んでみる。当然ながら、小説では物語に沿った形で入れ込まれていたが、伝えたいことの中心は同一で『子供たちについての多大なる影響』だと思う。当事者たちはすこぶる真面目に取り組んでいることが茶番にしかみえない。非常に残酷で劣悪な環境であり、子供たちが「戻りたくない」と言っているにもかかわらず耳を貸そうとするそぶりすら見せない親たち。子供が恐怖に怯え、施設を脱走してきても施設に戻す。世界でも有数の治安国家と言われる日本で⇨2017/10/16

スノーマン

31
7泊8日の合宿、恐ろしや〜。不快な睡眠状態、取り上げられる自由、回答のない問答‥不安定な場所で周りと同化して安心したいというその気持ち、特に女性はつながりを持ちたいから、わかる気がするね。『カルトの子』を読んで我が子が理不尽な目にあってるのに親に訴えてもダメってなぜ?と思ったけど、洗脳によって怒りや物への執着心がなくなり、強いては子供への愛着というものもなくなるのか。怖っ。もはや自分すら自分ではない。みな共有の気色悪さ。だからといって今の日本の一般社会も理不尽なことが多いという現実もあるんやしなぁ。2016/06/24

Speyside

27
比較的歴史の長いカルトでありながら、実態がイマイチ掴めないヤマギシ会への潜入ルポ。『特講』と呼ばれる1週間泊まりがけの研修会に参加し、自らも洗脳されそうになりながら実態解明に努めた記者のガッツが凄い。会に懐疑的な参加者がどのようなプロセスを経て洗脳されていくのかが、精神科医の分析も交えて克明に綴られており、かなり興味深い。児童虐待や家庭崩壊の事例がこれでもかというくらい出てきて読むのが辛いが、自分の頭で思考することを手放すとどうなるのかがよく分かる。ちなみにヤマギシ会は、売上高日本一の農事組合法人らしい…2022/02/15

むっちょむ

12
自分は若い頃から怒りっぽくて、くだらん事でかあーとくるので、なんとかならんかな~と思ってましたが、一緒に仕事していたかなり年上の先輩に、「怒りは人間にとって大事な感情だよ。熱いから怒れるのだからさ。」といってくれた事をふと思い出しました。理想社会、ユートピアを目指しながら、優勢思想。。。怒りっぽくても、欠点だらけでも自分の頭で考えて生きていきたい。ヤマギシの子どもの環境が少しでも良くなりますように。2014/10/08

Keystone

9
特講に潜入する筆者もすごいけど、記事にされるリスクを分かりながら受け入れたヤマギシ側の自信もすごいと思う。執着を持たないという主義なら、個人の財産はヤマギシに捧げるのではなく、捨ててから入村すべきでは。みんな家族で、所有という概念がなければ、女性はめちゃくちゃにされるだろうな。2023/06/10

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