僕らは星のかけら―原子をつくった魔法の炉を探して

僕らは星のかけら―原子をつくった魔法の炉を探して

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  • サイズ A5判/ページ数 286p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784895859349
  • NDC分類 440.12
  • Cコード C0040

内容説明

物質はすべて原子で成り立っている。人間もその例外ではない。私たちの血液には鉄の原子が含まれ、骨はカルシウムででき、呼吸することによって酸素を体内に取り込みながら、私たちは生きている。だが、このような原子はいったいどのようにして生まれたのだろう。私たちは、単なる比喩ではなく、文字どおり「星のかけら」であった。私たちの身体は、ビッグバンから超新星の爆発にいたる宇宙の出来事と直接かかわっていたのだ。SFを超える豊かな想像力と推理小説を凌ぐ面白さで、難解なテーマを一般読者にもわかるようにやさしく解き明かした科学読み物の傑作。

目次

第1部 原子(自然を構成するアルファベット;原子は最小の存在ではない ほか)
第2部 原子と星明かり(崩壊する太陽;かすかな星明かりに基づく推論;本来の値を上回る水素の質量 ほか)
第3部 魔法の炉(神の加熱炉;時の始まりの灼熱地獄;恒星の謎を解く鍵 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

fishdeleuze

25
「僕らは星のかけら」という表現は、単なる詩的なレトリックではなく、私たちが吸う息、摘む花の一つ一つには、太古の宇宙からやってきた原子が含まれているということを表している。我々も惑星ももともとは一つの同じかけらなのだ。ではこれらの世界を構成している原子はいったいどこでどのように作られたのか?その炉を求めて、古代ギリシアの世界観から最新の宇宙物理学・天文学まで長い話を聞いた。300頁弱、二段組みの本だが、語り口や構成の巧みさに加え、数式の代わりに卓抜な比喩を用いた文章によって文字通り宇宙を駆け巡った。2017/02/17

inami

8
◉読書 ★3.5 複雑に見えるあるゆる物質はすべて原子で成り立っている。少数の基本的な構成要素を無数の方法で並べ替えたものにすぎない、きれいなバラも、金塊も、そう皆さん人間もその例外ではない。人間の血液には鉄の原子が含まれ、骨はカルシウムででき、呼吸によって酸素を体内に取り込みながら人間は生きている。当たり前のようだが、改めて考えてみると不思議なことだ。この原子はいったいどのようにして生まれたのか?ビッグバンから超新星の爆発にいたる宇宙の出来事と直接かかわっている。わたしたちの体も「星のかけら」なのです。2017/10/09

こばく

3
原子と宇宙を結びつける壮大な科学物語。ボーアが水素模型に用いた仮定が大胆であることは知っていたけど,ホイルの根拠もたいしたものだ。大胆な仮定を立てる科学者もいれば,一見関係ないことからヒントを得る科学者もいるし,地道にデータを積み重ねる科学者もいる。それぞれの科学者達が絡み合って宇宙の謎を解く様がよく書かれていて,読み応えがある。若いときに読んでいたら物理学者にあこがれていたかもしれない。自分の体が遠い宇宙とつながっている不思議。読んだ後,原田郁子の「銀河」を聞きたくなった。2011/05/05

てつお

1
原子の成り立ちを解明していく科学者達のドラマ。ギリシア時代のイデア論から光の波長による分析を経て、原子物理学にたどり着く。邦題がぐっと良い。2011/02/22

のちおちゃん

0
2011/12/28

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