出版社内容情報
IBMの大型コンピュータのオペレーティングシステムOS/360の開発チームを率いた著者が、プロジェクトを通して発生した問題点を詳細に分析している。原著刊行は1975年であるが、大規模ソフトウェアを開発におけるソフトウェア工学の古典となった。本書は原著刊行20周年を記念して発行された増訂版である。原著刊行時に話題となり、肯定的なもの否定的なものなど、さまざなま議論が発せられた。著者は、それらに答えて、1986年に"NoSilverBullet"という「ソフトウェアの生産において、特効薬となりうる技法は存在しない」と言う有名な論文を書いた。本書は、これら原著刊行以降の著者の代表的な論文4編を収録し、いろいろな議論に対しての著者の見解を述べている。著者は、これらの業績--Forlandmarkcontributionstocomputerarchitecture,operatingsystems,andsoftwareengineering.--で、1999年度のACM/A.M.TuringAwardを受賞。
内容説明
本書は、プログラム開発の管理がなぜたいへんなのか、という疑問に答えようとするものである。プロのプログラマや管理職、特にプログラマの管理職を対象にしている。増訂版では、最近の考えを補足した。アメリカ計算機学会のACM/A.M.Turing賞受賞。
目次
タールの沼
人月の神話
外科手術チーム
貴族政治、民主政治、そしてシステムデザイン
セカンドシステム症候群
命令を伝える
バベルの塔は、なぜ失敗に終わったか
予告宣言する
五ポンド袋に詰め込んだ十ポンド
文書の前提
一つは捨石にするつもりで
切れ味のいい道具
全体と部分
破局を生み出すこと
もう一つの顔
銀の弾などない―本質と偶有
「銀の弾などない」再発射
「人月の神話」の命題―真か偽か
「人月の神話」から二十年を経て
五十年間の不思議、興奮、それに喜び
著者等紹介
ブルックス,フレデリック・P.[ブルックス,フレデリックP.][Brooks,Jr.,Frederick Phillips]
1931生まれ。Dyke大学で物理学を専攻し首席で卒業、Harvard大学でPh.Dを取得。IBMに在籍中にSystem/360の開発を担当(1956‐1965年)。その後、North Carolina大学でコンピュータ学科を創設し学部長を勤めた(1964‐1984年)。現在はコンピュータグラフィックスやヒューマンインタラクション等の研究を続けている。1993年にIEEEのJohn Von Neumann Medalを受賞、また1999年には『人月の神話―狼人間を撃つ銀の弾はない』の業績によって、アメリカ計算機学会のACM/A.M.Turing賞を受賞など、数々の栄誉を得ている
滝沢徹[タキザワトオル]
1976年早稲田大学理工学部数学科卒業
牧野祐子[マキノサチコ]
1986年国際基督教大学教養学部語学学科卒業
富沢昇[トミザワノボル]
1978年早稲田大学大学院理工学研究科数学専攻博士課程前期修了
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感想・レビュー
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