内容説明
生きている食糧“視肉”、猿を思わせる怪物“猩猩”、空を飛ぶ魚、二メートルを超える大グモ…。悪夢のような動植物がはびこる世界で、守護神が甲虫である戦士ジローは、恋する女、ランへの思いをとげるために、女呪術師ザルアー、“狂人”チャクラとともに「月」を求めて旅立った。「月」とは何かを知らない三人は「空なる螺旋」を探せと教えられるのだが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えも
11
山田正紀お気に入りSF第10弾■読んだのは1980年の早川書房版単行本。失われた《月》を求めて旅立つ戦士ジローら三人の冒険に、世界がその真の姿を徐々に顕し始める、山田正紀ならではのヒロイックファンタジー。うーむ、懐かしいねえ。2013/10/12
月世界旅行したい
10
昔読みました。地球の長い午後の日本SFへの影響力が良くわかる作品。こういうラスト好きです。2014/11/21
のりのりのり
6
異形の生物達、異世界の風景、植物、町、人々が作者のイマジネーションによって見事に構築されていることに驚かされた。よくもまぁこんなアリもしない世界を作り上げれるなぁと。物語としては後半になるにしたがって面白さが加速していった。全体的には異世界を舞台にしたファンタジー。『2001年宇宙の旅』『猿の惑星』を彷彿とさせられるような、終盤はSF作品ならではの余韻、読後感。今はもうこう言ったSFを書く人はいないのかな。そしてうける時代でもないのかな。2016/07/26
古家深一郎
5
ジローがどうしても好きになれなかった。最後まで。それは最初、自分の意志で動いているわけでなく、作者の都合で動いてるように見え、チャクラやザルワーも、なにかそんな感じ。しかし、異世界はそこそこ魅せてくれ、物語も弛むことなく続くので読み続け・・・・・・種明かしにまで達し、ある意味作者の狙いに見事に嵌っていた自分に気がつきました。恐らくは本作に影響を受けた作品に囲まれて育ったせいか、衝撃の事実、とまでは行きませんでしたが、それでも一種の風格を感じ取ることが出来ました。さすがは、日本SF史に残る伝説の作品です。2010/04/03
goldius
5
さすが天才の山田正紀、オリジナリティが物凄い!2008/02/18