内容説明
二十一世紀の初頭、宇宙から飛来したD物質による感染者「Dタイプ」は、全世界で増え続けていた。全身から青白い光線を発し、超人的なパワーで人間に襲いかかり、血を吸う彼らは、まるで吸血鬼のようだった。世界的なプロジェクトのもとに、感染者を「保護」する特別警察官シキは、ある日感染者である一人の女性を射殺するのだが…。近未来を舞台に、人類の進化の可能性を問う、SFラブストーリーの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kira
8
5/5 1998年刊。柴田氏の近未来SF。21世紀初頭に宇宙から飛来したD物質に感染した人類「Dタイプ」を追う女性警察官シキの物語。追う者が追われる側になってからは緊迫した展開になってとても面白かった。D物質が飛来したという設定の2015年はもはや過去であるが、舞台となる2041年は今となっては遥かな未来ではない。過去をひきずったその未来では酸性雨が赤い雨となって降り注ぐ。そんな環境を生き抜くための人類の可能性を問う本書では、世界観の構築に柴田氏の多才ぶりが発揮されていた。 2017/03/19
takukeimama
1
こんな未来になったらどうしようと思える小説でした。柴田よしきさんの小説らしい小説でした。2012/08/06