内容説明
画家は、森をぬけ、丘にのぼり、先々で町の人と話し、そして、ここに住むことに決めました―「幸せ」は自分が決める!100タイトルを超える児童文学作品が国内外で広く読まれている著者が、あなたの未来へ贈る絵本。
著者等紹介
くすのきしげのり[クスノキシゲノリ]
児童文学作家。1961年生まれ。鳴門教育大学大学院修了。小学校教諭、鳴門市立図書館副館長などをへて、児童文学を中心とする創作活動と講演活動を行う
古山拓[フルヤマタク]
画家、イラストレーター。1962年岩手県生まれ。東北学院大学史学科卒。専攻は西洋古代史。アニメーターをへて、イラストレーターとして独立。仙台市内にギャラリー兼店舗「アトリエアルティオ」を運営中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
97
読友さんの『のら猫のかみさま』のレビューにたいへん惹かれました。その読友さんが、5冊のシリーズだと教えてくださり、では1巻目からと手に取りました。 何処からかやってきた画家がこの町に住むことに決めました。町の人達の手助けをする度に、家や柵などに色を塗らせてもらいました。そして、画家は哀しい結末を迎えることになりましたが、画家が遺してくれたくれたものに町の人達は驚きと感動を覚えたのです。町の人達のあふれる想いが伝わってくるラストシーンです。2021/09/27
p.ntsk
44
「与える者は与えられる」。キャプテンの生き様はそんな黄金律を体現しているかのよう。無償の愛の行為は自ら亡き後まで人々に喜びを与えた。人々はキャプテンを決して忘れない。これこそ真の名声なのだと思う。犬や猫が自分の尻尾を追いかけても捕まえられないように自ら求めずとも後からついてくるものなのだろう。「人は、自らの人生を俯瞰するとき、そこに何を見るのでしょうか」このシリーズの作品冒頭に掲げられている言葉。人生の幕を閉じる時与えられたものと与えたものを比べた時せめて負債の少ない人生だったと思えるようでありたい。 2020/10/10
anne@灯れ松明の火
34
新着棚で。あるブログで紹介されていた短編集「海の見える丘」が気になっていたが、地元になく残念に思っていた。ところが、それが5冊の絵本になった。その1つ。絵は古山拓さん。ひとりの画家がある町にに住むことを決めた。この画家が一生をかけて描き上げた絵とは……? くすのきさんからのメッセージは、「『幸せ』は自分できめる!」。確かに……!2019/11/26
梅ちゃん
24
ある町に使いこんだ絵の道具とキャンパスを抱えた画家がやってくる。彼はその風貌からキャプテンと呼ばれた。そのキャプテンはいつも笑顔で誰にでも親切でした。キャプテンが死んで村の人々が彼を丘の上に埋葬します。そこから見ると、キャプテンの善行がそれこそ俯瞰できました。一つ一つの色が彼の行いそのもの。私の人生を俯瞰してもきっとこんなきれいな色は少ないんやろうなぁ。少しでもきれいな色を残したいものです。 今回も読友さんに、素敵な本を教えてもらいました。ありがとうございます😊2020/10/20
ケ・セラ・セラ
23
私もキャプテンのことを知っているような、話を聞いてもらったことがあるような、そんな気がしてくる。心がすーっと洗われるような作品。くすのきさんの作品なのだけれど、挿絵の影響もあってか、どこか遠い異国が舞台のよう。それなのにその場所をよく知っているような感覚になる。最高の画家であり芸術家であったキャプテンの生涯。わたしはまだ、自らの人生を俯瞰できるには至っていない。2023/08/15