内容説明
人智学協会と人智学運動の分裂という危機を乗り越えた、一九二三年の一般人智学協会の出発に当って、「協会のなかには統一的な意識が生じるべきである」と考えた著者が、病の床にあって、死の直前まで、最後の力を振りしぼって人智学の内容をあらためて包括的に整理、発展させた本書は、全世界の人智学徒の座右の書ともなっている。この重要著作に、協会の再編=設立に至る危機のなかで、ドイツの全支部の代表者たちを前に、人智学的共同体の在り方について率直に語った「人智学的共同体形成」を付して、著者の最後の思想へと誘う人智学徒の必読書。
目次
人智学指導原則
人智学的共同体形成
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
iwri
1
アントロポゾフィーの基本的原則について、簡潔にまとめられている。しかし、シュタイナー自身が言及するように、その詳細については、他著を参照する必要がある。逆に言えば、本書だけを参照しても全体の関連を見ることは難しいと思う。所収の講演録では、当時の人智学協会内部のある種の困難が想像でき、また党派性の問題を改めて考えさせられた。2010/07/18
レートー・タト
0
本書は「人智学指導原則」と「人智学的共同体形成」の二部構成。人智学指導原則は、最晩年まで自身の人智学の内容を包括的に整理・発展させていたシュタイナーが、死の直前まで渾身の力をふるって書いた全ての人智学徒の為の基本原則。箇条書きの形式となっている。一文一文どれもが非常に示唆に富んでおり、「座右の書」としたい本だが、この示唆はシュタイナーの他の著作・講演を参照していなければあまり生きてこないのではないかと思われる。シュタイナー自身、他の著作・講演の参照を促しているので意図的にそういう書き方をしているのだろう。2013/07/20