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内容説明
今から百年ほど前、ロシア革命後の混乱期に八百人の子供難民を救った日本の船がある。貨物船「陽明丸」は米国赤十字社の要請に応じ、当時の首都ペトログラードからシベリアまで避難してきた子供たちを親元に返すため、二つの大洋を横断し機雷が漂うバルト海を通過するという、危険だが失敗は許されない大航海に出航する―。それから一世紀の時を経て子供たちの子孫から「日本人船長に感謝を伝えたい」と、船長探しを依頼された書家が、二年の歳月をかけて船長の子孫を探し当て、船長の貴重な手記を発見した。日米連携で子供たちを故郷に戻した四人の男たちと陽明丸の知られざる偉業に迫る!
目次
第1部 幻のカヤハラ船長探索記(サンクトペテルブルクでの出会い;探索開始;カヤハラ船長を発見!;たった一冊の船長手記;人道の船「陽明丸」)
第2部 陽明丸大航海(革命の荒波をこえて;ロシアの子供たちのその後;航海中の陽明丸あれこれ;陽明丸の四人の男たち;「陽明丸」七つの謎)
第3部 茅原船長の手記(ロシア小児団輸送記―赤色革命余話)
著者等紹介
北室南苑[キタムロナンエン]
書・篆刻家、著述家。北枝篆会会長、NPO法人『人道の船 陽明丸顕彰会』理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スー
19
70前に読んだポーランド孤児の本の最後の方に軽く触れられていたので気になっていたロシアの子供800名を日本の船陽明丸が無事に親元に運んだ話を詳しく知りたくて読みました。第一次世界大戦の最中ロマノフ王朝は倒れ食べ物が不足するペトログラードから食べ物が豊富なウラルに疎開するが同じ頃チェコ軍団の反乱と赤軍と白軍の内乱が発生、疎開団の持っていた紙幣は紙くずになり飢えに苦しみアメリカ赤十字に救われウラジオストクから陽明丸に乗り室蘭〜サンフランシスコ〜ニューヨーク〜帰国と家を出てから3年近い旅の物語心に染みました2022/08/17
0717
17
ロシア革命後の混乱から逃れるためウラル地方に疎開した800人の子供たちに救いの手を差し伸べたのは、日本の船だった!米国赤十字社の要請に応えるため、シベリア鉄道でウラジオストクに逃れて来た子供たちを、茅原船長と貨物船「陽明丸」が太平洋を越え、米国を南下しパナマ運河を越え、ニューヨークに達し、大西洋も越え、夥しい機雷が敷設されたバルト海を細心の注意を払い通り抜け、無事北欧まで送り届ける。それから一世紀の時を経て、その子供たちの子孫が「日本人の船長に感謝を伝えたい」と、依頼を受けた著者が船長の消息を訪ねる物語。2020/10/26
Verte
6
100年前を生きた人の日記を読むのは不思議な気持ち。北室さんの努力に敬意を評す2017/09/09
りんふぁ
4
特に利益になるわけでもないのに、まだまだ知らない日本人の誇りになる方々がいるんだなぁ。2019/08/19
MASARU.T
4
テレビでの報道で陽明丸の事を知り、直ぐに購入しました。 困難な大航海だった事が描かれている。 更に当時の各国の微妙な関係性や日本の立ち位置等、軍や政治的な背景も同時に紹介されていて、とても分かりやすかった。 本件とは全く関係ない筆者が、良くここまで調べあげたと思う。2017/12/17