Writer & cityシリーズ
プラハ 都市の肖像

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  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784887243873
  • NDC分類 935
  • Cコード C0098

内容説明

冷戦時代、著者は芸術作品を密かに運び出す使命をおびて初めてプラハを訪れた。かつて黄金都市として皇帝ルドルフ2世のもと発展をとげた都市は、さながら忘れられた恋人の風情だった。作家はおのれの不実を恥じつつ、プラハの魅力にとらわれ、幾度となくプラハを訪問することになる。錬金術の都として名を馳せ、美しい中世のたたずまいを残し、冷戦時代にはソ連の衛星諸国の一国としての苦労を強いられた都。その過去を遠望し、住人と交わり、芸術都市としてのプラハを愛でる。

著者等紹介

バンヴィル,ジョン[バンヴィル,ジョン][Banville,John]
1945年にアイルランドのウェクスフォードに生まれる。自然科学者を題材にとった「科学もの四部作」で高い評価を得る。プラハが後半の舞台となる『ケプラーの憂鬱』ではガーディアン賞を受賞。2005年に“The Sea”でブッカー賞を受賞

高橋和久[タカハシカズヒサ]
1950年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。東京大学文学部教授。英文学専攻

桃尾美佳[モモオミカ]
1973年生まれ。東京大学大学院博士課程満期退学。了徳寺大学講師。現代アイルランド文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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nobi

77
『一都市一作家による都市ガイドシリーズ』でしかもこの作家。癖のある内容となるのは必定。プラハへの密かなときめきは冒頭一蹴された。冷戦下の寒々としたホテル、尋問されることが日常の教授との接触…。この街を巡る挿話も作品の引用もどこか物寂しい。彼を熱くしたのはJ.スデクの写真との出会い。ただバンヴィルはむしろそこで生きる人々に光を当てる。ルドルフ2世、ケプラー、ゴールトシュトゥッカー、黒セーター姿の女性たち…。そこから“平凡であると同時に神秘的“なプラハが見えてくる。エピローグは2002年大洪水後の胸痛む訪問。2017/12/23

ごん

4
柴田元幸のエッセイ経由で読んだ。プラハという都市が転換点を迎える要所要所付近に居合わせた訪問者の呟きと住人の思惑の交差(そして平行線)、歴史的人物への愛着、それらを記述する筆具合がどこか遠いものを思う愛に満ちていて素敵でした。2009/02/16

hagen

2
ダブリンのヴァンヴィルが、作品『ケプラーの憂鬱』で取り上げた背景となる題材であるプラハの史跡や逸話に話を巡らせる。近年に至るまで度重なる侵略統治と災厄に見舞われながら、皇帝ルドルフが寵愛する一風変わった芸術家、錬金術師、占星術師から始まりプラハを代表する風景写真家から勿論の事カフカに至るまで、その物悲しげな都市を語り尽くす。訪れた事の無い者にはただ想像だけが頼りとなるが、暗く閑寂な路地裏、中世の栄華の残滓が漂う空気感を時代を越えた視線に立って多岐に語られるエピソードの中に深く感じ入る事ができたと思う。2018/10/14

littlelielittle

0
ノンフィクションかと思ったら、明らかにフィクションめいたエピソードが挟まり、いきなり歴史についての記述がはじまる。2016/10/17

Masaki Sakai

0
夏にプラハに行ってきたので、この著者は知らなかったけど、プラハの事を書いているというので読んでみました。ティコとケプラーの件も興味深かったけど、社会主義時代の話が、なかなか面白かった。写真は換金できたのかなあ。註などに出てくる作者のシニカルな視点も良かった。他の本も読んでみようかな。2015/11/19

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