出版社内容情報
突然にやってきた東欧共産主義体制の崩壊とソ連による東欧支配の終焉の前提に,大戦間期の民族と国家の自立があった。74年に現在の情況を予言したに等しい本書の存在を確認したい
目次
第1章 大戦間期東欧史の諸問題
第2章 ポーランド
第3章 チェコスロヴァキア
第4章 ハンガリー
第5章 ユーゴスラヴィア
第6章 ルーマニア
第7章 ブルガリア
第8章 アルバニア
第9章 東欧の周縁、バルト諸国
第10章 大戦間期東欧の文化
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
5
二つの大戦の間の時期、東欧に次々と誕生した国家群は皆第二次大戦が終わるまでに国家自体が消滅、又は民主主義体制が崩壊するという道を辿った。その理由について、国ごとに分析を試みた400ページを超える本だが、国内の地域、階層、民族対立、政党政治の未熟と腐敗、周辺大国の干渉(独ソ)と無関心(英仏)等共通する要因で議会が機能不全になって、事態収拾のために独裁体制が樹立され、色々な手段で国の存在を模索するが、第二次大戦で次々と潰えていくという結末を迎えた。この道しかなかったのか、いや、この道しかなかろう、という読後感2021/06/23
hurosinki
3
戦間期の東欧 まず東欧諸国の抱えた諸問題が説明される。拡張主義的な独ソ二大国に挟まれていること、対抗するフランスのコミットメントの不足、各国が抱える民族問題、それに起因する東欧諸国の対立、そして農業中心(チェコスロバキア除く)の社会・経済が有する問題が説明。爾後ポーランド、チェコスロバキア等の政治・経済の変遷をそれぞれ追う。統計をしっかり分析した上で非序に詳しく解説してくれる。二つの章を合わせたら新書ができるくらいの分量。まとめに文化史の概説がある。2019/09/22
陽香
2
199410262016/12/13