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内容説明
「明るい谷間」は、昭和27年12月1日発行日付で、新吉原女子保健組合から出版された。“赤線吉原”の従業婦の手記集である。戦後、マッカーサー司令部の命令で、公娼制度が廃止された結果、売笑は娼妓の自由意志となったので、性病予防の検診制度も従業婦の自主的運営に委されることになった。これによって誕生したのが新吉原女子保健組合である。一種の御用組合であるにはちがいなかったが、占領と民主主義の落し子である。組合は、機関紙「婦人新風」を発行し、焼土の生活苦から身を落した従業婦たちの相互扶助の理想をかかげて苦闘の足跡をのこした。この手記集は「婦人新風」所載のものの一部である。
目次
生活のうた(詩;短歌;俳句;川柳)
作文
私の言葉
創作(問わずがたり;雨に散りぬ;陽かげは暗くとも)
娼婦考(関根弘)