感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カインズ
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【最新データで統一して欲しかった】先行販売で入手した本。構造的な問題によるユーロの歪みについて述べている。高い失業率や融資の交換条件に緊縮財政を強いられ内政干渉を受けざるを得ないといった問題点が印象に残った。気になるのは、既存の連載を再編集したものということで内容の重複や用語の不統一が有る点(「格付け会社」を「格付け会社」や「格付け機関」としている)だ。書かれている事項の時系列も行ったり来たりするので、少々分かりづらかった。最新データによる書き下ろしではなくて、残念である。2012/02/06
田山河雄
0
「そもそも、日本国民は世界最長の皇室を戴き、長きに亘って「日本国民」として生きて来た。この我々が、ある日、突然、「君たちはアジア市民です。通貨もアジアの共通通貨であるACUを使いましょう」などと言われ、素直に受け入れるはずが無い。ところが、現実のユーロでは歴史や言語、文化の違いを無視し、強引に金融政策を統合してしまった訳だ。これ程までに過激な「革命」を実施しておきながら、弊害が無いと思う方がおかしい。」 誠にごもっともで、ここはひとつ、歴史の生き証人として、なるべく、見落としの無い様に、息を凝らして、ユ2012/07/20
nkmr48
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★★★★☆「理念優先」のユーロ発祥経緯と、それ故に抱える矛盾(加盟国財政自治権の放棄)、そしてひとたび財政危機に陥れば逃れる術は無い構造的問題(通貨安政策がとれない、資金調達)に鋭く切込む良書。 同時に日本国債暴落論と偏執狂的に繰返される財政均衡化政策が、未曾有の経済危機と震災のダブルパンチを食らった日本で解く無謀さとその背景(国債ばかり買われては証券会社は儲からない、世界で一番利回りの低い国債で資金調達をしない矛盾と縦割り官政と財務省利権) 本書を読んでからTVを観ると、漏れなく経済関連のコメンテ2012/03/25
スプライト
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わかりやすいが、あまり新しい発見はない。イタリアが対内債務の方が多く、共通通貨建ての対内債務という新しいパターンであるという指摘は有用。2012/02/28