内容説明
「ハグ」…水貴は、セラピストアシスタント。精神的な病を抱える人や、企業内で最近多発しているメンタルヘルスの問題を支援する仕事をしている。人事部長にセクハラ容疑で匿名のメールを送られ、人、特に女性とのコミュニケーションが取れなくなり精神的に参っているという、香山さんという男性をアシストすることになった。香山さんはよく知れた会社の経理部長だが、頭は禿げ上がり、外見は貧相そのもので、気も小さい。しかし、アシストを始めると、突然、様子が一変する…。「ステーション」…美智子は、結婚へのラストチャンスに胸を膨らませながら、今、旅立とうとしている。しかし、やっと座ったプラットホームのベンチで、そのお尻の下から出てきた、食べかけのお好み焼き事件から始まり、数々の苦難に遭遇し、なかなか、列車に乗り込めない。婚約者のご両親への挨拶の時間が、ジリジリ、迫ってくる…。「ふわり、と」…わたしは、自暴自棄な生活を送っていた。そんなとき、しずみという女の子と出会う。荒れた心が、しずみを犯してしまう。しずみの弟に殴られたわたしをしずみは看病してくれる。しずみは夜間高校に通う弟と二人っきりで、慎ましい生活を送っていた。二人との出会いが、静かに、わたしの心に、明かりを灯す…。
著者等紹介
日貫瑞穂[ヒヌキミズホ]
広島市在住、会社員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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