内容説明
とかく建前論になりがちな生命倫理の論議に風穴をあけるスピッカーのダイナミックな「医学哲学」アメリカにおける生命倫理の草分けの一人、S.スピッカーの20年にわたる研究活動の成果から選んだ12篇の論文集。奥深い教養に裏打ちされた精緻な論証で、現代医療が突きつける多様な問題に切り込む。
目次
第1部 老化、安楽死、脳死、人格の死―生物医学的なヒトから人格的主体としての人間へと眼差しを変えること(「老化の生物学」についての哲学的考察;安楽死の遂行―死にゆく者が刷新された医療を受ける権利;医学倫理と予後の関連―先天奇形、社会と法律;人間として認識されること、人間の死―脳死の問題において医療関係者が果たすべき新たな役割)
第2部 「生きられる身体」と心身の区別―医学哲学的人間学から医学哲学への転換のために(安定した大地と不安定な種―医学哲学的人間学から医学哲学への転換を目指して;媒体としての生きられる身体―医学と哲学の接点における反応;哲学者としての精神医学者―エルヴィン・W・シュトラウスを称えて)
第3部 医学における認識論的諸問題―医学のなかに哲学の役割を確立すること
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