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性同一性障害の基礎と臨床

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  • サイズ A5判/ページ数 231,/高さ 21cm
  • 商品コード 9784880024318
  • NDC分類 493.74
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》  平成8(1996)年に埼玉医科大学倫理委員会が「性同一性障害と呼ばれる疾患が存在し,性別違和に悩む人がいる限り,その悩みを軽減するために医学が手助けをすることは正当である」との答申を発表してから,「性同一性障害」ということばが一般にも知られるようになった。  この答申を契機として,性同一性障害や性転換(性別再指定術)のことが医学界においても公に語られるようになり,「性の自己意識」,「性自認」,「ジェンダー」といった問題にも関心が寄せられるようになった。  「性同一性障害」に関する学術書の要望が高まるなか,第一人者の著者が基礎から診断・治療までをわかりやすくまとめた。    《目次》 第I章 性同一性障害の概念の成立と歴史的背景  A.ジェンダーの概念の成立   異性装者の研究/ジェンダーの概念の形成/ジェンダーの構成要素と性同一性障害/生物学的要因説と心理社会的要因説  B.わが国における“性転換医療”への道   裁判事件としての「性転換手術」/性転換手術の倫理性を問う申請と判断/ジェンダークリニック創設と診断,推進 第II章 性同一性障害の臨床  A.基本的なことがら   性同一性障害の定義/性同一性障害をどう理解するか/性の同一性とその障害/性同一性障害の人でみられる症状の理解  B.性同一性障害の臨床像   性同一性障害の具体例/精神科受診者の概要/性同一性障害の分類/精神症状の併有例/小児期の性同一性障害  C.性同一性障害の診断   性同一性障害の診断的位置づけ/基本的症状/診断について/診断の困難性/性同一性障害の診断に関係したことがら/リアルライフ エクスペリエンスについて  D.性同一性障害の治療   治療の原則/性同一性障害の精神療法/性同一性障害のホルモン療法/性同一性障害の外科的治療  E.性同一性障害の周辺   性同一性障害関連の日本の現状/性転換症/考察  F.性同一性障害の心理的対応   心理診断と精神療法/診断における心理的問題/性同一性障害の発達的側面と心理的対応  G.性同一性障害の診断と治療に関わる組織   性同一性障害の診断と治療に関する組織/国内における医療チームの組織/今後の課題 第III章 心理社会的側面  A.性同一性障害者の抱える法的問題   名の変更/性別表記の変更/婚姻/その他  B.性同一性障害者の抱える心理・社会的問題   性同一性障害が精神疾患である「その他」の理由/諸刃の剣となるサバイバル・スキル/コミュニティの連帯を脅かす外的要因  C.性同一性障害者の社会的支援   どのような具体的問題を抱えるか/トランスジェンダーの自助支援グループ/医師の組織 第IV章 性同一性障害の成因  A.性の分化からみた性同一性障害の成因   成因を考えるに当たって/生物学的性別の分化/性同一性障害の成因  B.神経解剖学的に見た性同一性障害   脳の形態学的性差/性同一性障害と脳の形態  C.神経化学,分子生物学からみた性同一性障害   身体的性分化のメカニズム/脳構造と性ホルモン/脳における性ホルモンの作用機序/性行動を規定する遺伝子/脳の性分化と性同一性障害 資料 「性転換治療の臨床的研究」に関する審議経過と答申    性同一性障害に関する答申と提言

目次

第1章 性同一性障害の概念の成立と歴史的背景(ジェンダーの概念の成立;わが国における“性転換医療”への道)
第2章 性同一性障害の臨床(基本的なことがら;性同一性障害の臨床像;性同一性障害の診断 ほか)
第3章 心理・社会的側面(性同一性障害者の抱える法的問題;性同一性障害者の抱える心理・社会的問題;性同一性障害者の社会支援)
第4章 性同一性障害の成因(性の分化からみた性同一性障害の成因;神経解剖学的に見た性同一性障害;神経化学、分子生物学からみた性同一性障害)

著者等紹介

山内俊雄[ヤマウチトシオ]
埼玉医科大学倫理委員会委員長として、性転換症の手術療法の倫理性を審議し、引き続き、日本精神神経学会「性同一性障害に関する特別委員会」委員長として「性同一性障害に関する答申と提言」をとりまとめた。略歴は昭和38年北海道大学医学部卒業。43年北海道大学大学院(医学研究科)修了、医学博士。43年北海道大学医学部生理学講座助手(神経生理学)。45年北海道大学医学部精神医学講座研究生。46年同助手。51年同講座。54年同助教授。61年埼玉医科大学精神医学講座教授。元年埼玉医科大学神経精神科センター所長。6年同附属病院長補佐。10年同解かれる。埼玉医科大学副学長として現在に至る。この間、昭和52年より54年までアメリカNational Institutes of Health(米国立保健研究所、NINCDS)においてVisiting Scientisitとして、てんかん発作発現機序についての研究に従事。著書に「てんかん学」「てんかん学の進歩No.1」「てんかん学の進歩No.2」(いずれも、秋元波留夫、山内俊雄編著、岩崎学術出版社)。「中枢神経実験法」(山下格、山内俊雄編著、北海道図書刊行会)「性転換手術は許されるのか-性同一性障害と性のあり方-」(明石書店)、「性の境界」(岩波書店)など
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