内容説明
読書文化を本質から考える。出版市場の低迷、若い世代の活字離れ、図書館行政の後退…読書文化をめぐって、さまざまな問題が指摘されている。しかしこのようなときにこそ、読書というものの本質、出版のあり方、図書館の意義といった重要な事柄に思いをいたすべきであろう。読者、著者、出版社、図書館人、教育者など、それぞれ異なる立場からの意見もあろうが、大局に立った価値観を共有できたらと願う。
目次
序章 「読む」文化と「引く」文化
第1章 図書館―読書文化を維持するために(現代図書館の視座―東京都の図書館再編計画を批判する;図書館の歴史 ほか)
第2章 「読む」文化の危機(「朝の読書」の社会的な意義;ことばを知らない世代 ほか)
第3章 日本における「引く」文化(辞書と索引の歴史;「辞書の鬼」がつくった国語辞典第一号;索引の文化史的背景について;当世名付け事情;代々木を「ダイダイギ」と読んだ話)
第4章 情報化時代の「読む」文化・「引く」文化・「書く」文化(文字コード問題と国語国字問題;日本語の歴史と現実に根ざして―初期ATOK委員会の思い出;インターネットと記憶術;電子出版の伯楽;インターネットと古典;インターネットと知的生産)
著者等紹介
紀田順一郎[キダジュンイチロウ]
評論家、作家。1935年、横浜市に生まれる。慶應義塾大学経済学部卒業。書物論、情報論、近代史などを専門として評論活動を行うほか、創作も手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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