内容説明
都市空間に対する小説家や詩人の感受性が、創作上どのように作品に反映され、どのような魅力がその結果として生まれるのか。佐多稲子の戦後再起の出発点となった作品『私の東京地図』をめぐって、作品にとりこまれた丘、坂、川、路地などの都市空間の描写が、いかに作品に固有の魅力を生み出しているかを、精密な論理と深い読みで解き明かす。
目次
第1章 救済者としての都市―佐多稲子『私の東京地図』をめぐって
第2章 “夢見る部屋”の系譜―宇野浩二とポオの文学における室内空間
第3章 都市風景の幻視者たち―舗石をめぐる感受性
第4章 都市と視線―遠望と所有
第5章 『私の東京地図』再論
著者等紹介
小林隆久[コバヤシタカヒサ]
1940年東京に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科比較文学比較文化専門課程修士課程修了。現在、宇都宮大学教授
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