内容説明
裏切られても、傷ついてもどうしようもなく愛しいから…時を越えて、また運命の「彼」とめぐりあう。愛と美を綴る耽美珠玉集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハツコ
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石原郁子さんの作品はまさに耽美かつ退廃的な雰囲気を持っています。中島梓の小説道場出身ということで、その時代らしさ名のだと思います。彼女の文体の魅力は客観性だと思います。耽美小説らしい美麗な言葉回しはありつつも、センテンスの区切りが短く、出来事を無感情に書き連ねたような印象さえあります。しかしそれが、こちらに一切の感情移入を許さず、美しいまま滅びゆく登場人物をただ見つめるという視点とその快感を与えてくれます。石原さんによって描かれる青年、少年達は、私たちが共感できるような世俗さから遠く離脱しているのです。2017/12/04
ハツコ
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「監督…主人公が監督の人生を客観的に語る口調で進みます。一人称のような三人称のような不思議な語り口です。 「湿原」…湿原の別荘で過ごす彫刻家の父と家庭教師の青年と少年。70’sの萩尾望都を思わせる退廃的雰囲気です。 「北都小話」…吹雪くロシアを舞台に、大佐とテロリストの中尉の暴力的な関係と情を描いた作品です。 「神話」…神話にでてくる神々のお話ですが、決して幻想的なだけでない生々しさがあります。 「月神祭」…ギリシアを幼い頃に焦がれた青年の面影を探して旅するお話です。2016/01/26
tukiko
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うん、これは好きです。2011/12/07