内容説明
漫画か、絵画か、幻想か。1枚のタブローからあふれ出す言葉のいらない物語。タイガー立石の絵具と筆は、想像力でできている。月が語り、月が謳い、月が演じるゼンマイ仕掛けのメロドラマ。ページをめくったその隙に、世界がくるりと裏返る。
目次
椹木野衣「虎の曼荼羅」
立石富美子「虎のひこうき雲」
アイデアノートより
磯崎新「見ることの制度への違犯」
タイガー立石からの手紙
著者等紹介
タイガー立石[タイガータテイシ]
1941年12月20日‐1998年4月17日。福岡県伊田町(現田川市)出身。武蔵野美術短期大学芸能デザイン科卒業。1963年、第15回読売アンデパンダン展に巨大なコラージュ作品「共同社会」を出品し注目を集める。1964年、中村宏と「観光芸術研究所」を設立。1960年代後半からタイガー立石として、次第に漫画の世界に活動を移すが、1969年にイタリアへ渡る。1971から1974年まで、オリベッティ社のエットーレ・ソットサス工業デザイン研究所に嘱託として在籍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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入江
14
Eテレ「日曜美術館」で興味をもって。タイガー立石のコマ割り絵画集。唐突にグッとくる空気感は、星新一さんに近いでしょうか。漫画絵本として楽しめます。ラフなのに、カッチョイイ気がします。2021/07/03
安東奈津
2
★★★☆読んだ本は【大・タイガー立石展】でした。2023/09/24
monado
2
シュールでポップなのだが、どこかグロテスク。その画風と、異次元のルールを描いているあたりはルイジ・セラフィーニに通じるものがある。ミラノに住んでいた、という共通点もあったりする。2014/12/14
の
1
タイガー立石の絵画作品集。二次元的な絵画に三次元的なコマ割りを導入し、幻想が目の前に飛び込んでくるシュールな作品が並ぶ。それでいて、鮮やかな色彩やなめらかなフォルムによる情動的な表現方法が、観念芸術でありながら理解しやすく、空間にリアリティをもたらしている。フロントガラスから飛び込んでくる世界、巨大化したクレーターや火山が何か別のモノを生み出す、惑星が果物やお菓子に、とまるで絵本や白昼夢の中のような出来事が、連続的な絵画によって理屈をもたらしている。SF漫画のそれに近いのかもしれない。2015/06/03
necoko19
0
★★★★2022/01/01