内容説明
ドストエフスキーの複雑極まりない世界を、道化性というキー・コンセプトで鮮やかに分析し、シェイクスピアにも劣らぬ豊かさ、面白さを縦横にひき出してみせた本書は、なお現代に生き続けるドストエフスキーの文学の秘密を全く新たな角度から照射したものである。
目次
第1章 感触の冒険家―『罪と罰』
第2章 負の救世主―『白痴』
第3章 ロシアのファウスト―『悪霊』
第4章 片隅の倨傲―『未成年』
第5章 虚なる道化から実なる道化へ―『カラマーゾフの兄弟』
第6章 道化の終焉―『おかしな男の夢』からアリョーシャへ