ワシントン・スクエア

ワシントン・スクエア

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  • サイズ B6判/ページ数 247p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784873761978
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

19世紀のニューヨーク。平凡な容姿の娘に美貌の求愛者が現れるが、彼の愛は果たして真実のものか…。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まふ

106
ニューヨークの資産家・名医の一人娘の結婚話にまつわる物語。キャサリンは父のプローバー医師に頭も器量も悪い娘と思われているように見栄えのしない娘だが、あるとき美貌ながら資産のない青年モリス・タウンゼントと知り合う。父は彼の人格を当初から見抜くが娘は一途に思いを寄せる。同居しているお節介バアサンのペニマン夫人が勝手に動いて二人は結婚を誓うが父は認めず、うやむやの内に時は過ぎてゆく。余計な人物も出て来ず、単純な物語進行で読みやすかった。G498/1000。 2024/04/30

NAO

71
期待の息子と理想の妻を亡くした悲しみから、娘には何の期待もしていない父親。一方、父親を慕いながらも父の言いなりにはならないキャサリンは、しっかりとした自我を持った近代的な女性だといえる。だが、近代的な女性だからと言って、男を見る目があるというわけではない。二人がもう少し打ち解けて話し合うことができていたら、悲劇は避けられたのではと悲しい気持ちになる。ペニマン夫人の俗っぽさ、愚かしさはキャサリンにとっては毒でしかなかったけれど、彼女がこの話にはなくてはならない名脇役であることは間違いない。2017/09/14

kasim

35
自らの才覚で地位を成した有能な父親からは、取り柄のない一人娘は愚鈍に見える。しかし物語が進むうちに娘の誠実さと芯の強さに比して彼の冷酷さが浮き彫りになっていく。少しづつ父や恋人の本性が浮かび上がる目の詰まった織物のような濃やかなテクストと、平凡だが強い倫理性を備えたヒロイン(とロマンティックな叔母の浅薄さとの対照)は連動し、リアリズム小説が中産階級の産物だということと、ここで一つの到達点に来たことを感じさせる(成熟の元祖はフロベールだとしても)。2019/05/17

カナン

29
元々アメリカ文学には興味の無い自分。食指が動かず、これまで散々無視し続けてきたのですが「ヘンリーは一回は強制的に読まされるものだよ」という人生の先輩方の誘い(という名の強制的な圧力)に屈してしぶしぶ頁を捲る。全てにおいて凡庸で特筆すべき部分が何も無い主人公キャサリンに降って湧いたとびきりに甘い美男子とのロマンス。よくもまぁこんな陳腐な話を此処まで丁寧に読ませるものだと感心しました。美しい心は何よりも尊い。尊い故にメロドラマ的な展開の中ではむず痒く感じる程。しかしこれ読んで感想求められてもなぁ、という感想。2016/01/07

ロピケ

9
不器量で賢くもないと思われているキャサリン。思いもしなかった事態に陥り、孤立無援の状態で戦い、次第に意志の強さが現れてくる様子がたまらなく痛快。一方で、純粋な彼女の運命はどうなって行くのかひたすら心配しながら読んだ。キャサリンの父、叔母のぺ二マン夫人も決して共感できるような人物には描かれてはいないけれど、我が身を振り返らせてくれ、自分にも思い当るところも。牡蠣料理店の場面で、そう言えばニューヨークで昔は牡蠣が獲れたってこの間テレビで見たような、とハッとした。それにしても、甘くないお話でした。2012/03/21

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