内容説明
「空」とは何か?それは仏教において、「語り」と「ことば」に関わるすべてを貫く論理である。その意味は「中身はからっぽ」というシンプルなものであるが、では現実において、「空」はどのような姿をとって現れるのだろうか?そして、「空」の論理がいきわたることによって成り立つスムーズな対話とは?―仏教の開祖・ブッダと「空」の理論家・龍樹の偉大な智慧に導かれながら、変幻自在なその姿を様々な角度から明らかにしていく。「空」の発見へといざなう珠玉の18作品!
目次
第1部 「空」の世界へ―ブッダと龍樹にみる実践の論理「空」(ブッダの法であること;論争を避けること;法(ことば)にこだわりをもたないこと
他を縁とせず、あるがままに見ること)
第2部 無我の世界へ―古代インド思想界とブッダの法「無我」(自己の探究、無我へ!;輪廻の探究 解脱へ!)
第3部 そして、現代世界へ―世界の思想と仏教の倫理「利他」(西洋の哲人とブッダ;世界の宗教と仏教)
著者等紹介
石飛道子[イシトビミチコ]
1951年、北海道札幌市生まれ。北海道大学大学院博士課程単位取得退学。札幌大谷大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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noharra
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ブッダの「空」という方法は、対機説法という形で現れる。 ブッダ自らが自己(プライドやエゴ)をもたず、からっぽであることによって、 相手の知識や資質などにぴたりと合わせて話すことができる、ということなのだと。 そして、相手に嫌な気持ちを与えたり傷つけることもない、と。3% 確かに自分が利害関係や目標とかなければ、相手のいうことに一切反対することもないだろう。ただブッダとかは矛盾、多様な力関係が渦巻くなかでも、相手を傷つけず、うまく退却する方法を見つけていたということだろうか。2019/02/01