内容説明
内面の精神性を優先する中国・韓国の文明と比較すると、日本社会・文化の特質は周縁性。その深層と豊かさを、日韓のフィールドワークや体験を重ねて明かす画期的な日本論。
目次
1 東アジア文明圏の周縁・日本(歴史地理的に見た日本;文明社会の高度な統合;思想史というアプローチ)
2 物との相互性を尊ぶ日本社会(人間の主体性・中心性;人と物)
3 即物的な日本人の認識(形式と精神性;空間認識;歴史観;二宮尊徳の仕法)
4 論理体系を拒否する日本人(「植民地近代」;指導性と競争;日本社会の周縁的様相)
終 日本社会の位置づけと展望
著者等紹介
伊藤亜人[イトウアビト]
東京大学名誉教授。1943年生まれ。東京大学教養学部卒業。東京大学教授、琉球大学教授、早稲田大学教授等を歴任。その間、ハーヴァード大学客員研究員、ロンドン大学SOAS上級研究員、韓国ソウル大学招聘教授。専攻、文化人類学、民俗学。第11回渋沢賞(1977年度)、大韓民国文化勲章(王冠、2003年)、第9回樫山純三賞(2014年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たろーたん
1
面白かったのは宗教の所。仏教が受容されて久しい日本だが、果たして宗教としてどこまで体系定期に受容されたか、とりわけ教義面でどこまで仏教的な世界が受容されたと言えるか、韓国と比べれは差は明らかである。日本ではどこの寺院も立派で手入れが行き届いているが、特別な日でもない限り、参詣に来ている人はほとんど見かけない。寺院に行く機会は主に墓参りや法事であって信仰のために訪れる人は少ない。対して韓国では行事がなくても定期的に参詣するのは普通である。(続)2023/11/23
takao
1
ふむ2020/02/22
m-bone
0
これを読んで、ようやくわかった。韓国と日本、全然違う。そりゃ、分かり合えない。良い悪いじゃなく、真逆レベルで違う。 韓国では、儒教が社会の規範であり、体系だった知識があり、概念性、論理性が重要視される。 一方で、日本はもののあはれの精神があり、型を磨き続けることを良しとする。武士道然り。茶道というのは、無駄な動きが一つもないが、それも論理性とは異なる。第四章に至ってはタイトルが「論理体系を拒否する日本人」だし、日本人は論理性無しらしい。 難解な部分も多いが、面白かった。2023/09/15