内容説明
ふるさとは遠きにありて思ふものそして悲しくうたふもの。故郷・金沢への思いやその風景をうたった作品が中心となった第2詩集。詩集としても画集としても楽しめる魅惑の1冊。
著者等紹介
室生犀星[ムロウサイセイ]
明治22年(1889年)石川県金沢市生まれ。生後まもなく養子に出される。1918年、第1詩集『愛の詩集』を自費出版。1962年に死去するまで、多くの詩や小説を執筆した。生家跡には室生犀星記念館が建てられている
げみ[ゲミ]
平成元年(1989年)兵庫県三田市出身。京都造形芸術大学美術工芸学科日本画コース卒業後、イラストレーターとして作家活動を開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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アキ
79
乙女の本棚新刊。犀星の詩とげみの絵がマッチしていて心地よい。小景異情「白魚はさびしや そのくろき瞳はなんといふ なんといふしほらしさぞよ」「ふるさとは遠きにありて思うもの そして悲しくうたふもの」名の由来となったふるさと犀川の詩「うつくしき川は流れたり そのほとりに我は住みぬ 春は春 なつはなつの 花つける堤に在りて こまやけき本のなさけと愛とを知りぬ いまもその川ながれ 美しき微風ととも 蒼き波たたへたり」犀川のほとりに室生犀星記念館、浅野川のほとりに泉鏡花記念館がある金沢の街の文化の豊かさを思い起す。2021/08/07
寂しがり屋の狼さん
70
【乙女の本棚】シリーズ21冊目📖今回は珍しい詩集。押絵は同シリーズでは、おなじみ日本画の『げみ』さん🎨詩と挿絵がピタリと合い情景をつかみやすいです(◕ᴗ◕✿)2021/11/23
榊原 香織
49
雨の日には詩を。イラスト付きだとさらによく。 ロマンチックな室生犀星2023/03/05
ちえ
44
【乙女の本棚】室生犀星。私でも知っている「ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの」故郷である金沢の風景や金沢への思いをうたった詩が、心に優しく、寂しく触れてくる。げみさんの絵もいい。「蜜柑」といい「檸檬」といい、この人の描く光が美しい。2022/09/09
たまきら
39
室生犀星といえば「ふるさとは…」ですが(それぐらいしか読んでいなかった)、彼の故郷が金沢とは知りませんでした。どこか寂し気な、「元に戻りたい」のに元がどこなのかもわからないような孤独な言葉は、単に故郷から旅立っただけではなく、幼い頃に養子に出されたという経験から生まれるものなのかもしれません。…今頃気づいたんですが、このシリーズリットーミュージック出版なんですね。妙に納得。こういう本から素晴らしい詞も生まれるのかもしれないな。げみさんのイラストも素晴らしいです。2024/02/15