内容説明
息をのむ“小宇宙”。0.1ミリに満たない微生物で作る、唯一無二の極小アート。
目次
美しい珪藻アートの世界
珪藻と標本 珪藻を並べるという仕事
珪藻とは何か ミクロのガラス細工
珪藻のくらす場所 海の牧草
珪藻と食物連鎖 いのちの森
珪藻の構造 不思議なカプセル
珪藻と顕微鏡1 レンズをテストする
珪藻の生活史 繰り返す細胞分裂
珪藻と顕微鏡2 暗視野と明視野
珪藻コレクション
著者等紹介
奥修[オクオサム]
1968年宮城県生まれ。日本でただひとり、世界でも数少ない珪藻標本作家(マウンター)。独自の技術による精緻で美しい作品は国内外から高い注目を集める。現在、珪藻標本の店「ミクロワールドサービス」代表。東京水産大学大学院修了。博士(水産学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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紫 綺
62
伊与原 新の短編集「八月の銀の雪」で興味を持った珪藻アート。日本でただ1人の珪藻標本作家による美しいアート写真集。○△□☆etc.etc.珪藻が造り出す自然の美を堪能。ただ人物は止めた方がいいと思う。2021/11/25
pohcho
50
「八月の銀の雪」で知った珪藻アートの本。珪藻は光合成をして生きている微生物(藻類)なのに、殻の部分がガラス質。作品の美しさと自然の不思議にうっとりしてしまう。珪藻自体の大きさは0.005~0.2mmとのこと。そこから殻をとって一つ一つ並べて美しい模様にする、その行為を考えると気が遠くなりそうだけど・・。実物を是非顕微鏡で眺めてみたい。2020/12/08
Nyah
42
「八月の銀の雪」に出てきた珪藻アート。顕微鏡でしか見られない筈の超極小アートの世界。まつげで動かせるのかしら?という位小さい。崩れていない成形をより分ける際に出てくる壊れた珪藻。ここからより分けて、芸術に仕上げるって途方もなく大変な作業じゃない?美しい。✨💎2021/12/19
ひ ほ
34
世界一小さな美術館。珪藻を並べて作った作品の数々。珪藻がガラスのカプセルで包まれた藻の仲間で顕微鏡で見るとキラキラ光ってさながらガラス細工のよう。一つ一つの珪藻を写真で撮ってそのデザインを使って絵を描いているのかと思ったら、実際の珪藻のかけらを顕微鏡の下で道具を駆使してデザインを作っているというからまたビックリ。根気の要りそうな仕事です。図書館で面陳されていたので手に取ったのですが、今読んでいる『八月の銀の雪』にも登場するとか。楽しみがまた増えました。2021/05/12
青いうさぎ号
22
「自然のいちばん繊細な手仕事は、小さなもののなかに見られます。」レイチェル・カーソンさんの言葉が冒頭に。それにしても、この小ささ、繊細さ、多様さ。こんな世界があったんだ…。おもむろに『八月の銀の雪』を読んでみようと思う!2023/02/08