科学者はなぜウソをつくのか―捏造と撤回の科学史

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 227p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784844376910
  • NDC分類 407
  • Cコード C0095

出版社内容情報

著者は、東京大学理学物理学科卒、理研、NASAの研究員を経て、青山学院大学研究員。理学博士。「科学に捏造はつきもの、捏造なくして科学に発展はない」という前提で捏造事件の数々を検証している。本書収載の捏造事件の冒頭には、その事件の梗概、最後には、①発表から撤回までの期間、②科学的インパクト、③捏造の巧妙さ、④社会的影響の「評価」を入れ、一般に読みやすく、楽しめる構成となっている。

内容説明

知的なはずの研究者が驚くほど幼稚なウソをつき、周囲の研究者もだまされるのはなぜ?科学史に残る「過ちの瞬間」を「撤回論文」を軸に振り返り、「科学者の夢」に迫る。

目次

第1章 STAP細胞―捏造を異物として排斥する「科学の免疫機能」
第2章 ヒトES細胞―スター科学者の栄光と転落
第3章 皮膚移植―サマーリンのぶちネズミ
第4章 農業生物学―スターリンが認めたルィセンコ学説
第5章 ナノテク・トランジスタ―史上最大の捏造・ベル研事件
第6章 118番元素―新元素発見競争でトップを狙ったバークレー研事件
第7章 常温核融合―大学間の対抗意識から始まった誤りの連鎖
第8章 旧石器遺跡―暴かれた「神の手」の正体

著者等紹介

小谷太郎[コタニタロウ]
大学教員、博士(理学)。専門は高エネルギー天体物理。1967年、東京都に生まれる。東京大学理学部物理学科卒。理化学研究所基礎科学特別研究員を経てアメリカに渡り、NASAゴダード宇宙飛行センターに在籍。帰国後、大学の研究員として研究に携わるかたわら、精力的に著作活動を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

西澤 隆

5
「科学者を信用するな」主義の本ではない。新学説は論文を公表しなければ認められない。公表すれば凄いことであればあるほど多くの人に追試され、結果として検証される。一方「論文改ざん防止策」を厳しくすればするほど研究はやりにくくなり成果はしぼんでいく。科学には自浄作用があるのだ…という前提のもと、論文改ざんを通して見る「夢」と、その嘘がどのように社会に影響を与え、暴かれて終息していったかをSTAP細胞、常温核融合、縄文遺跡「神の手」などで語る本。そして科学を「政治」で判断すると長きにわたって禍根を残すいう教訓も。2018/02/07

シロクマとーちゃん

5
歴史上有名な8つの捏造について、わかりやすく簡潔にまとめてある。残念ながら「なぜウソをつくのか」の明確な答えはここにはない。しかし、捏造にはいくつかの基本パターンがあり、そこから教訓を引き出し、それぞれの章の最後に掲げてあるのが面白い。個人的には一番最後の章の「科学に神の手はない」というのに改めて納得。2015/10/21

やす

2
すごく面白かった。 筆者がウソを採点しているところが非常に良い。科学には捏造がつきもので、逆に捏造が起こりうることは科学界の構造が健全であることを示しているというのに納得した。2017/05/07

オランジーナ@

1
神の手事件が面白い。普通気づくだろ。2021/09/28

バリバリブーン

1
捏造発覚のプロセスがわかりやすくまとめられていると思いました。 やや専門的な用語もでてきますが、その技術ができると何がすごいかという解説もあるので、用語が理解できなくても全然問題ないです。 「世間に認めてもらう」ためについた些細なウソを積み重ねた結果、引き返すことができなくなることは、ビジネスにもよく起こり得ることです。 ウソの報告はよい結果を生まないという失敗事例が収められた教訓本という捉え方もできそうです。2015/09/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9777177
  • ご注意事項